第4次福島県長期総合教育計画(平成5年度〜平成12年度)-093/136page

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第3編

文化振興計画

第1 主要課題と計画の基本的方向


1 文化活動の振興

 近年,生活水準の向上,自由時間の増大及び生涯学習の進展を背景として,県民の文化に対する興味や

関心は著しく高まってきており,文化活動を行う県民の層にも広がりがみられます。また,活動内容も多

様化しており,その形態も音楽・美術・文学等を鑑賞するだけにとどまらず,自ら楽器を持ち,自ら筆を

持つなど主体的に参加し,活動しようとする傾向が強まってきています。

 このような中で,各地域においては,優れた機能を備えた特色ある文化施設の建設が盛んであるととも

に,各種の文化団体の結成も充実してきており,さらには,企業等における文化振興事業等もみられ,各

地で多種多様な文化行事が実施されています。

 このような動向のもとに,21世紀を見通して本県をより個性豊かな地域社会とするには,社会の成熟化

に伴う生きがいのある生活や自由時間の過ごし方などの社会的要請とも相まって,文化振興は,積極的に

促進していくべき重要な課題となっています。また,進展する国際化の中にあって他国の文化を理解する

だけでなく,日本文化の基盤である個性豊かな地方の文化を世界に紹介していくことも重要です。

 このため,県総合美術展覧会や県文学賞等の県が行う事業を充実させることにより,文化団体の育成を

図るとともに,文化活動事業に対する民間企業の参加を促し,文化活動推進体制の充実に努めます。

 また,文化振興基金の利活用により,文化活動の促進と発表機会の拡充及び「家庭劇場」・「芸術鑑賞教

室」等の芸術鑑賞の機会の拡充に努めるとともに,世界各国の芸術文化の催しや発表等を支援し,さらに

は,本県の芸術文化を世界各国に紹介するなど,文化の国際交流に努めます。


2 文化の伝承の充実

 郷土に伝えられる貴重な文化遺産は,そのすべてが,それぞれの地域において軽重を問わず固有の価値

を持ち,個性豊かな地域の歴史的環境を形づくり,文化の向上・発展の基礎となっています。この「心の

ふるさと」である地域の文化財からは,ふるさとを再発見すると同時に,現在の生活を振り返り私たちの

進み行く方向をも学ぶことができます。しかしながら,近年の大規模な開発の進展を考慮すると,歴史的,

芸術的又は学術的に価値の高い文化財の保護はもとより,埋蔵文化財を中心とする遺跡等の調査・保存が

重要な課題となっています。

 このため,文化財保護行政組織の整備や文化財パトロールの強化など,県及び市町村の文化財保護体制

の一層の充実を図るとともに,文化財保存調査及び指定の推進に努めます。また,埋蔵文化財の保護につ

いて,県民の理解を得るための啓発・普及や調査を推進するとともに,開発関係機関・団体とのより緊密

な連絡調整に努めます。さらに,文化財の適正な管理のための保存事業に対する助成を行うほか,文化財

を活用したふるさとづくりのため,文化財に親しむ機会の拡大と文化財愛護の精神の高揚を図るなど,文

化の伝承の充実に努めます。


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