教育福島0006号(1975年(S50)10月)-021page

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三、衛生管理について

 

学校給食における衛生管理は、栄養管理と同様に最も重要な事項で、万が一赤痢や食中毒が発生すれば、いままでの努力も熱意もすべて水の泡になります。そのため、どの学校も給食センター等も、これらの防止に万全を期しております。以下当センターにおける実状について述べてみます。

衛生管理の重点事項は、なんと言っても赤痢と食中毒の防止にあると思います。まず第一に、調理員はもちろんセンター職員全員が、衛生管理の重要性と赤痢や食中毒の恐ろしさを認識しその防止のために、手洗いと検便の励行、更には一人一人が自分の健康管理をし、「うっかりして忘れた」と言うことのないよう、努力しております。

第二は、施設及び設備器具器材の衛生管理に意を用いることです。常に清潔に保つことはもちろんですが、使用の前後には必ずオスバン液による消毒を行っております。

用具としては動力噴霧機一台、肩掛け式噴霧機一台を備えています。

第三には食材料検収の厳重なチェックですが、肉類ハム、豆腐製品、魚介類は調理当日納入されますが、特にこれらの鮮度に注意しています。また、加工品の原材料、あるいは包装材等に問題がないかなど、注意し検収しております。

特に新製品を採用する場合は、公的機関の発行する分析表を添付させるなど、事故の防止には十分配慮しております。しかし、やはり職員一人一人の心構えが最も大切であり、夏休みの休食期間には、例年衛生管理の講習会を開いています。

 

学校給食の充実と日本学校給食会(文部省)

学校給食の充実と日本学校給食会(文部省)

 

学校給食の歴史は、明治時代に経済的に恵まれない児童の救済のために民間の事業として始まったとされているが、国として初めて学校給食に対する助成が行われたのは昭和七年である。

戦後の学校給食は、当時の経済的困窮と食糧不足から児童・生徒を救済する目的で、連合軍、ララ委員会、ユニセフ等からの物質面での援助を得て、昭和二十二年一月から本格的に実施された。

昭和二十九年六月、「学校給食法」が成立して以来、学校給食の実施体制が法的に整備されるとともに、国庫補助措置の整備等制度の確立により、児童・生徒の健康の増進、体位の向上はもちろん、国民の食生活の改善の面においてもかなり実効をあげてきている。しかし、今後一層の普及充実を図るためにも、学校給食の果たしている役割を十分認識する必要がある。

「学校給食法」では、義務教育諸学校における教育の目的を実現するためその目標として次の四点を掲げている。

(1) 日常生活における食事について正しい理解と望ましい習慣を養うこと。

(2) 学校生活を豊かにし、明るい社交性を養うこと。

(3) 食生活の合理化、栄養の改善及び健康の増進を図ること。

(4) 食糧の生産、配分及び消費について、正しい理解に導くこと。

このような流れの中で、昭和三十年八月、学校給食用物質を適正円滑に供給し、あわせて学校給食の普及充実とその健全な発達を図ることを目的とした「日本学校給食会法」が成立し、同年十月一日に、この法律による日本学校給食会が発足した。

本年は、同会が発足してから二十周年を迎えるが、この間、同会は「日本学校給食会法」の目的を達成するため学校給食用物質の買入れ、売渡し等、学校給食用物質の安定供給や、学校給食の普及充実に多大の役割を果たしてきた。

学校給食一完全給食、補助給食、ミルク給食を含む一の実施状況は、次のとおりである。

 

学校給食実施状況  49年5月1日現在

 

 

 

 


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