教育福島0037号(1978年(S53)12月)-019page

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A五判四百五十頁の布表紙の体裁となる。

今回の小中高校をとおしての指導要領の改訂で、民俗音楽ことにそれぞれの地区の音楽が教材として取り上げられるようになるので、時宜にかなった出版ということができる。

 

七、第二十八回福島県民俗芸能大会

 

県内に継承されている民俗芸能のうち、価値の高いものを広く公開し、民俗芸能に対する一般の理解と認識を深めるとともに、民俗芸能の記録保存をはかるため、毎年県内もちまわりで、福島県民俗芸能大会を開催しているが、本年度は、福島県教育委員会・福島市・同教育委員会・(財)福島県文化センター・福島民友新聞社の主催で、七月三十一日に、福島市にある福島県文化センターで開催された。

出演団体は次の五団体。

(1)金沢の十二神楽(福島市)

(2)南須釜の念仏踊(玉川村)

(3)会津の彼岸獅子(会津若松市)

(4)御宝殿の稚児田楽・風流(いわき市)

(5)請戸の田植踊(浪江町)

約五百名の観客が入館し、これらのすぐれた民俗芸能を心ゆくまで観賞した。

 

八、特別公演福島県民俗芸能大会

 

福島県を中心に開催された昭和五十三年度全国高等学校総合体育大会に協賛して、同大会に訪れる県内外の人々に対し、本県地方文化と風土の理解と認識を深める一助とするため、八月一日、福島県教育委員会・福島市・同教育委員会・(財)福島県文化センターの主催で、福島県文化センターを会場として、特別公演福島県民俗芸能大会を開催した。

出演団体は前日の第二十八回の県大会と同じ五団体で、約八百名の招待者にみごとな芸能が披露された。

ことに本大会には体育大会の開会式のためにおいでになられた皇太子同妃両殿下の御臨席を仰ぎ、公演終了後は出演団体に親しくおことばを賜ったため、出演者にとってはことに感激ひとしおだった。

 

民俗芸能大会出演者を激励する皇太子御夫妻

民俗芸能大会出演者を激励する皇太子御夫妻

 

九、ふるさとの考古資料展

 

-東北新幹線関係遺跡出土品-

 

毎年十一月一日から七日までは、文化財保護強調週間である。

この際、文化財に対するご理解を深めていただき、県民一人一人が文化財をたいせつにし、郷土の文化の成り立ちを知って、新しい文化の創造に役立てていただくため「ふるさとの考古資料展」を、昭和五十三年十一月一日から七日まで、郡山市中央公民館において、主催、福島県教育委員会・日本国有鉄道・郡山市教育委員会で開催したものである。

 

ふるさとの考古資料展(郡山市)

ふるさとの考古資料展(郡山市)

 

十、埋蔵文化財保護・調査の現況

 

埋蔵文化財の調査は近年著しくその数を増しているが、そのほとんどが緊急調査である。この傾向は本県においても同様で、昭和四十三年度の調査件数が十六であったのに対し、本年度のそれは十一月現在で六十四件である。

これらに対処するために県文化センター遺跡調査課に本年度新たに五人の専門調査員を配置し保護体制の充実に努め、一方、八月中旬には須賀川市にて埋蔵文化財の保護処置の徹底と発掘調査体制の強化を図るために、第六回福島県埋蔵文化財発掘技術講習会を開催した。

本年度の県内における発掘調査(本調査)の原因別内訳は次の通りである。

東北新幹線関係 四件

農業開発関係(公営) 十二件

〃(個人) 一件

道路建設関係 三件

工業団地関係 一件

都市計画関係 二件

宅地造成関係 七件

学術調査関係

(史跡指定調査など) 八件

(町史編さん) 三件

その他 三件

また分布調査(試掘)の内訳は農業開発関係十六件、その他四件であり、農業開発関係は総計二十九件と半数に近い数字を示している。

一方、史跡指定調査などの学術調査は、関和久遺跡(県)、上人壇(しょうにんだん)廃寺跡(須

 

 

 


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