教育福島0039号(1979年(S54)02月)-024page
をふまえ、授業の充実に努めなければならない。
特に、運動の合理的な実践を通して運動に親しむ習慣を育てるとともに、健康・安全について理解させ、健康の増進と体力の向上を図ることにより、生がいを通じて明るく豊かな生活を営む態度を育てるため、学習指導要領改訂の趣旨をじゅうぶん生かし、その全部について指導が展開されるよう努力する必要がある。
一、新学習指導要領の研究を深め、その趣旨を生かした指導ができるよう指導計画の改善に努める。
指導計画の作成に当たっては、新学習指導要領に示された目標や内容はもちろん、学校や地域の実態を考慮し、生徒の発達の特性に応じ、教師の創意くふうが反映されるよう配慮されなければならない。そのためには、学校における保健体育指導の基本方針を確立し、運動及び健康の増進や体力の向上をどのように推進していくかについて明確にすることが極めてたいせつである。
二、運動の特性を明らかにし、内容の重点化を図り、運動技能の向上に努める。
(一) 学習活動を効果的にするため、指導法をくふうする。
(1) 各運動の中核になるものを引き出し、個人の能力に応じた指導をする。
(2) 目標・内容に応じた学習形態をくふうする。
(二) 各運動の特性をふまえた系統的段階的指導により、技能の向上に努める。
運動の特性に応じた運動の量と質についてくふうする。
(三) 評価の観点を具体化し、自己評価、相互評価が生かされるようにする。
評価基準、方法等を定め、継続的に資料を収集し、効果的な活用法をくふうする。
三、計画的・継続的指導により体力を高める。
(一) 課題に向って全力でいどむ意欲的な態度を育てる。
(1) 具体的な到達目標を設定する。
(2) 毎時間全力で走る運動を意図的積極的にとり入れる。
(二) 生活化を考慮した魅力ある体育行事をくふうし実施する。
生活化をめざした実践態度の育成に努める。
(三) 施設・用具の活用を図り、整備拡充に努める。
(四) 保健及び食生活指導の連携を密にし、総合的に体力の向上に努める。
四、保健学習の充実と事故防止に努める。
(一) 指導内容の精選を図り、重点事項を明確にする。
学校、地域の実態をふまえ、生活との関連を密にした実践化を目指す指導計画を作成する。
(二) 健康の問題を正しく理解させるため、基礎的事項を明確にし、教材の研究、資料の活用により授業を魅力的にする。
(三) 安全意識の高揚と、安全能力を育てる。
(1) 危険を予測し、対処できる態度や能力を身につける。
(2) 点検、安全確認の励行を推進する。
(四) 施設用具の定期点検と潜在危険個所の除去に努める。
高等学校
中学校の保健体育の学習内容との関連を考慮し、その成果を発展拡充させることをねらいとしている。
体育においては、運動の特性や運動実践に関する理解を深めるとともに、基礎体力と運動能力及び各運動種目の技能を向上させる。
保健においては、個人及び集団生活の健康に関する知識を習得させるとともに、健康についての総合的な認識と実践力を高める。
なお、新高等学校学習指導要領の趣旨を徹底するとともに、中学校における移行措置をふまえた学習指導法の改善を図る。
これらの目的を達成させるために、次の事項に留意して指導するよう努める。
一、指導計画の改善を図る。
(一) 生徒の目標到達度の実態を分析するとともに、指導計画を常に点検し、年間指導計画の作成に努める。
(二) 学校及び生徒の実態に即した具体的資料をもとに単元配列のくふうと改善に努める。
(三) 共通必修は低学年に、選択必修は高学年に多く配当するよう種目の配列をくふうするよう努める。
二、各運動の特性を生かし、内容の具体化を図り能力を高めるための学習指導の改善に努める。
(一)生徒が自発的に運動に取り組み、効果的に学習できるよう配慮する。
(二) 運動技能を高めるために、科学的な練習と指導の個別化を図るとともに、種目ごとの到達目標の設定を図るよう努める。
(三) 意欲的学習態度を養成するため効果的な評価をくふうする。
(1) 個人的種目及び集団的種目の個人評価及び集団技能評価のスケールを具体化し評価の適正を図る。
(2) 技能・知識の評価のみに偏らず日常生活における体育活動への関心の度合いや行動力の評価にも留