教育福島0039号(1979年(S54)02月)-033page

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共通の特性があり、また、学級編制にあっても少人数学級か複式学級で構成されている場合が多い。そこで、これらの特性をよくは握し、その特性を生かした指導が重要な課題となる。特に次の事項に重点を置き、指導の質的向上を図る必要がある。

 

一、少人数学級の特質を生かした授業の充実に努める。

(一) 主体的に学び取る力を育てるための指導過程をくふうする。

(1) 学習のめあて、その範囲と程度を明らかにし、学習意欲を高めるくふうをする。

(2) 学習活動の組織には個別学習、グループ学習、一せい学習の三つの型があるが、特に、グループ学習の場合には、グループ内の児童生徒が共通の目的や問題をもって結びつき、各自の興味や能力に応じて自主的に問題解決に取り組めるよう努める。

(3) 自己評価の機会を設け、自己の能力開発に立ち向かわせる配慮をする。

(二) 一人一人を生かし、よりよい人間関係を育成するための学習形態のくふうをする。

(1) 学習の内容に応じ、個別・小集団・学級集団・学校集団等の適用を図る。

(2) 積極性や社会性を育てるために集団活動の機能を活用し、自信をもって行動できるよう努める。

(三) 学習の効率を高める資料の適切な提示や、活用のあり方をくふうする。

(四) 校内の協力体制を確立し、教科や特別活動等の指導方法をくふうする。

 

二、複式学級学習指導計画の改善を図り、授業の充実に努める。

(一) 複式学級学習指導計画の整備を図る。

(1) 指導計画の作成に当たっては、学習指導要領及び小学校指導書並びに移行措置に関する告示の内容を理解し、複式学級の実態をもとに相互に研究を深め自校の指導計画を作成する。

(2) 複式用教科書を使用している学校においては、普通学級用教科書使用にそなえて学習内容の履習残しのないように指導計画の検討と修正を図る。

(二) 自主的に学習する習慣形成を意図した指導過程をくふうする。

(1) 直接指導と間接指導の関連を有機的に図る指導過程を策定する。

(2) 直接指導では主体的な学習を成立させるための指導を重視する。

(3) 間接指導の学習が主体的になされ、課題の解決努力、習熟・応用、自己評価など「ひとり学習」の深化を期待した指導に努める。

(4) 間接指導における学習資料の開発と活用を積極的にくふうする。

(複式学級教材構成資料(県教育庁編)を参照のこと。)

(三) 児童生徒の特質から、表現力を高めるため、読解力・作文力・発表力の育成を学級・学校全体で努力する。

 

三、教育機器を積極的に活用し児童生徒の学習経験の拡大を図る。

(一) 学習に興味と意欲をもたせるために、学習資料の作成、収集を図り指導過程に位置づけ、学習経験の拡充を図るよう活用する。

(二) 個別学習の充実のための教育機器の活用に努める。

(三) 資料や教育機器の保管、管理体制を整え、資料等の累積及び活用を積極的に進める。

 

養護教育

 

養護教育の拡充に伴い、対象児童生徒の障害や程度が多様化し、就学指導や教育課程の編成、学校、学級経営等がいっそう困難になりつつある。

この教育を進めるに当たっては、健常児と共通であるという一般性を基礎とし、更に、障害児であるという特殊性に即応して行わなければならない。

従って、前述の小・中・高等学校における各教科、領域等の重点をじゅうぶん吟味し、次にあげる重点事項と調和させ、この教育の充実・振興に努力することが望まれる。

 

一、適正な就学指導を推進する。

(一) 各学校における心身障害児の就学指導組織を、校務分掌上の組織として明確に位置づけ、全校職員が協力して適正な就学指導を進める。

(二) 市町村の就学指導審議会、県就学指導会議、その他の関係機関と有機的連携を図り、適正な就学指導を進める。

(三) 全教員の心身障害児に関する知識や調査、検査、診断の技術向上を図るため、校内研修を充実する。

(四) 心身障害児童生徒の就学指導に関しては、保護者とじゅうぶんに情報交換し、適切な教育措置を講ずるよう努める。

(五) 学校、学級への就学後も、つねにその教育効果を観察、評価し、他の学校、学級への就学が望ましいと判断される場合には、慎重かつ適正な教育措置替えを考慮する。

 

二、盲、聾、養護学校、特殊学級の実態に即した運営をくふうする。

(一) 教育目標の具体化、実践化の適切

 

 

 


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