教育福島0054号(1980年(S55)09月)-042page

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まちからむらからこんにちは

地域ぐるみの少年団体活動

須賀川市教育委員会

 

一 はじめに

 

青少年をとりまく生活環境の浄化がさけばれ、今日ほど青少年の健全育成が教育行政の中心課題として重要視されている時期はない。これも地域社会が大きく変容し、本来持っていた地域社会の教育的機能が失われたためであろう。

本市は、当面するこれらの問題解決を図るため、各種関係団体及び機関と協力し、諸施策を積極的に推進し、青少年の非行防止と健全育成に力を注いでいる。以下、この活動について述べてみよう。

 

タコ作り教室

タコ作り教室

 

二 少年団体の活動状況

 

本市における少年団体は、地域子供会を中心にボーイスカウト、ガールスカウト、スポーツ少年団などがある。

これらの団体(表1)は、いずれも育成会が組織されているため、活動も非常に活発で、青少年の健全育成に大きな役割を果たしている。

特に、全市あげての夏季少年補導球技大会は、ほぼ全町内会からの参加があり、今年で二十七回目を数え大盛況であった。

この他夏季休業中の児童生徒を対象にした行事としては、青少年団体が主催するワークキャンプ、子供会育成連絡協議会が主催する子供会リーダー研修会、地域子供育成会などが行う、優秀映画鑑賞会、花火大会、キャンプファイヤー、水泳大会など盛沢山ある。

地域子供会の中には、こうした行事の他に、花いっぱい運動やあいさつ運動、ゴミ持ち帰り運動などと取り組んでいるところもある。

 

三 少年教育施策の現状

 

少年期における社会教育は、少年が将来、社会的な役割分担を果たせるための教育訓練の場と考え、具体的な場と自主的な活動の助長に努めている。

九月の子供の祭典(補助金、五十万円)をはじめ、八月の夏季少年補導球技大会(同、十六万五千円)、二月のタコ上げ大会(月 十万円)などに対し財政的援助に努めている。また少年団体が健全な活動を行うための条件整備として、学校開放の促進、公民館活動の推進、資料の提供などに努めている。

 

四 新しいエネルギーの誕生(表2・表3)

 

ボーイスカウト、ガールスカウトなどは、組織が確立されている。地域子供会を、更に活発にするには何としてもリーダーに期待するものが大きい。

本市では、四年前から高校生を対象としたシニアリーダーの養成確保に力を注ぎ、現在は、シニアリーダーズクラブを組織し、すばらしい活動をしている。

 

五 地域ぐるみの新しい芽生え

 

近年、自治意識とか住民運動ということばをよく聞くことがある。自分たちのことは自分たちの手によって解決しようとするもので、日を追って盛んになりつつある。その中でも、青少年の健全育成は、今や大きな地域課題になっている。地域連帯意識の希薄化、生活環境、社会環境の悪化が青少年の非行化を生み、地域社会の教育的機能を失わせている。現代世相の病理的現象といえばそれまでであるが、今や地域ぐるみ、家族ぐるみで、青少年の健全育成に力を注ぐ時期であるといえよう。その最も近道が少年の団体加入の促進にあるように思う。

 

 

 


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