教育福島0099号(1985年(S60)02月)-041page

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養護教育

 

年時代から、障害者に対する正しい理解と認識を深めるようにする必要がある。

 

昭和六十年度より十一年間にわたる「第三次福島県長期総合教育計画」の初年度における、養護教育の重点施策として、「障害をのりこえ、社会参加をめざす養護教育の推進」を掲げ、心身に障害を持つ児童生徒に対して、その障害の種類、程度、能力、適性等に応じた教育を行い、その可能性を最大限に伸ばし、可能な限り社会への参加を図るとともに、障害をもたない者も、幼少年時代から、障害者に対する正しい理解と認識を深めるようにする必要がある。

また、障害の程度が軽度の児童生徒については、適正な就学指導、交流教育、進路指導等について、さらに改善・充実を図るとともに、障害の程度が重度の児童生徒については、訪問教育も含めて、指導内容・方法の改善・充実を図る必要がある。

 

学校・学級運営上の配慮事項

 

一 盲一聾・養護学校の実態に即した運営を推進する

(一) 児童生徒の障害の実態に即して、教育目標の具体化、実践化を、全教職員の共通理解のもとにすすめ、特色ある学校づくりに努める。

(二) 福祉、医療等の関係機関と緊密な連携を図り、障害児の全面的発達を促進する指導の確立に努める。

(三) 重複障害教育並びに訪問教育の充実を、全教職員協力のもとに推進する。

 

二 特殊学級運営の適正化を図る

 

(一) 児童生徒の障害の種類、程度等に応じた特殊学級の編成方針を明確にし、適正な運営に努める。

(二) 一人一人の障害の実態と、具体的な到達目標を明確に把握し、個別指導を重視した指導を行い、可能性の伸長に努める。

(三) 通常学級の児童生徒及び教職員との交流活動の充実を図り、豊かな人間性の育成に努める。

(四) 養護教育の理念や指導について、全教職員の研修を企画するなど、学校全体の理解を深め、校内の就学指導の充実、地域社会の啓発など、全教職員が協力して、養護教育に対する理解ある環境づくりに努める。

(五) 第三項以下の各項に留意して、特殊学級運営の適正化を図る。

 

三 適正な就学指導の推進に努める

 

(一) 校内の就学指導体制を確立し、その組織を校務分掌に位置づけ、年間計画による校内の障害児の実態把握に努める。

(二) 市町村就学指導機関等との関係機関と緊密に連携して、校内の就学指導の適正化を図るとともに、就学又は入級後の実態把握に努め、適正な教育措置について、その変更も含め慎重な検討、指導に努める。

(三) 就学指導担当者が中心となり、養護教育に関する研修活動や地域社会の啓発活動を推進し、児童生徒の障害の実態と指導の在り方について、保護者の認識と地域社会の理解を深め、就学指導の円滑化に努める。

 

四 教育課程の適切な編成を図る

 

(一) 児童生徒の障害の実態に応じて教育課程の改善を図り、指導の形態や内容・方法に創意工夫を加え、適切な指導の推進に努める。

(二) 各教科、領域について、適切な時数が確保され、児童生徒の障害の特性、発達段階に即して設定された目標や内容に対して、一人一人の到達度や適応の状態を確かめて指導がすすめられるよう、弾力的な教育課程の編成に努める。

(三) 「創意を生かした教育活動」の内容・方法の改善に努め、特に、特別活動とのかかわりについて改善を図る。

(四) 小・中・高の一貫教育等、児童生徒一人一人の発達をもとに、絶えず検討を加え、教育課程の改善充実に努める。

 

五 交流教育の推進と定着を図る

 

(一) 交流教育の趣旨並びに、障害児に対する正しい理解を深め、望ましい協力体制のもとに推進を図る。

(二) 児童生徒に交流教育の趣旨の徹底を図るとともに、交流の方法を工夫し障害児、健常児の双方に有意義な教育活動として、学校教育計画への定着に努める。

(三) 意図的、計画的な交流活動が契機となって、日常的な交流活動が実践され、障害児に対する理解を深めるなど、発展的な指導に努める。

(四) 交流活動に対する地域社会の理解と協力を広め、障害児に対する正しい理解を地域社会に拡大することに努める。

 

六 研修の充実と組織化を図る

 

(一) 教職員の専門職としての意識と意欲の向上に努め、研修活動の充実を図り、その組織化に努める。

(二) 研修会、講習会への参加を計画的にすすめるとともに、その内容や研修成果の発展的普及に努める。

 

 

 


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