教育福島0109号(1986年(S61)02月)-031page

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高等学校教育

 

各高等学校においては、学習指導要領の趣旨を踏まえ、生徒や地域の実態に即応した教育課程を編成・実施し、生徒にとって魅力のある学校づくりを進めることが強く望まれる。

また、国民的教育機関としての高等学校教育のありかたについて、全教職員の共通理解を図りながら、生徒一人一人を生かす充実した教育活動を展開することが期待されている。

このために、生徒の能力・適性・進路等に即した学習指導を展開する必要がある。

更に、望ましい集団の育成と集団活動を促進し、特別活動の活性化を図るとともに、生徒理解に基づく個別指導の充実を図る必要がある。

また、生徒の個性や能力の伸長と適切な職業選択の能力を養うために、進路指導の充実・強化に努力する必要がある。

日常の教育実践の中でこれらを具現するためには、指導体制の確立と指導力の向上を図ることが望まれる。

 

国語

 

につけさせるため、学習指導の展開について、一層の創意工夫が必要である。

 

国語を的確に理解し、適切に表現する能力を身につけさせるため、学習指導の展開について、一層の創意工夫が必要である。

 

一 国語の基礎的・基本的な能力を身につけさせる

 

(一) 漢字の読み書きや基礎的な言語事項の指導の徹底を図るため、適切な教材、指導方法を準備する。

(二) 言葉の力を養う指導の徹底を図るため、言葉の作りあげる世界を正しく読みとる態度・方法を身につけさせるとともに、表現する力の養成を重視する。

 

二 文章の正しい解釈・豊かな鑑賞の能力を身につけさせる

 

(一) 生徒の読みにおける個性を大切にしながら、正しい読み、深い読み、価値の高い読みへと導き、豊かな人間性を培うための指導を工夫する。

(二) 文学的教材の指導に当たっては、すぐれた表現を味わうとともに、文学的体験を通して生徒自らの人生を豊かにすることをねらいとする。

(三) 論理的教材の指導に当たっては、文脈、文章の正しい理解のうえに立って、筆者の認識・思考の内容を的確にとらえさせることを重視する。

(四) 古典の指導に当たっては、基本的な語句や語法の理解を図りながら、古典の世界を享受させ、伝統的な言語文化に対する関心と興味を一層深めさせることを大切にする。

(五) 人格の陶冶に役立つ読書習慣を形成するための、適切な指導を行う。

 

三 表現力の向上を図り、正しく豊かな文章を書く能力を身につけさせる

 

(一) 教材および指導方法を十分に準備し、表現技術の向上を図るとともに実際に作文を書く機会を多くする。

(二) 書くために読み、読むために書く表現の学習と、理解の学習の関連を図って指導を展開する。

 

四 教材研究を深め、効果的な指導法についての研究をも深め、実践する

 

(一) 教材の的確で深い読みとりに努力するとともに、教える内容と学習させる内容を明らかにし、授業でどのように効果的に取り扱うかという面での研究を深める。

(二) 新鮮な授業をつくるために指導過程を改善し生徒の学力実態、教材の質に応じた適切な指導法を工夫する。

(三) 教材の質によって、論理性を重視してとらえる学習と感覚を重視してとらえる学習、また、精細に読みとる学習と概括的に読みとる学習を適切に組み合わせる。

(四) 総合的な国語能力の育成のための表現領域と理解領域、現代文と古典のそれぞれを関連させた指導のあり方を工夫する。

 

社会

 

自己教育力の形成をふまえた教育課程の編成と実施が一層強く望まれている。

 

昭和六十一年度は新教育課程が実施されて五年目をむかえたが、自己教育力の形成をふまえた教育課程の編成と実施が一層強く望まれている。

今年度はこうした趣旨をよりよくいかすために、次の事項について努力したいものである。

 

一 指導計画の改善に努める

 

(一) 社会科全体の目標と各科目の目標内容を的確に把握し、科目間の関連を図るとともに.地域や学校の実態と生徒の能力・適性・進路等を考慮しながら、弾力性のある指導計画の作成に努める。

(二) 中学校の学習内容との関連に十分留意し、社会と人間の諸問題に対処

 

 

 


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