教育福島0126号(1987年(S62)11月)-021page
しない地域で、常日頃優れた舞台芸術に接する機会の少ない県民のために、中央の優れた舞台芸術を巡回公演して、家族ぐるみで芸術を鑑賞することを奨励し、豊かな家庭づくりと地域文化の振興に資する趣旨で実施している。
本年度は、県内十八町村において、音楽五公演、児童劇十三公演が開催された。各会場とも大好評で、多くの児童・生徒、父兄、教師等が生の演奏、演技を楽しんだ。
昭和六十二年度の内容と実施町村は次のとおりである。
1、音楽公演
「ミュージカル・アカデミー『歌のひろば』」
出演…ミュージカル・アカデミー
実施町村…塙町、中島村、矢吹町、北会津村、河東町
2、児童劇公演
「青い目のロバ」
出演…楽劇団いちょう座・
実施町村…小高町、鹿島町、飯舘村、岩代町、滝根町、小野町、棚倉町、長沼町、岩瀬村、北塩原村、熱塩加納村、塩川町、三島町
八、移動芸術祭巡回公演
本行事は、文化庁が派遣する優れた舞台公演の鑑賞の機会を多くの県民に提供することにより、本県芸術文化の振興を図ることを目的として実施するものである。
本年度の実施状況は表3のとおりである。
表3 移動芸術祭巡回公演実施状況
九、福島県芸術祭
福島県芸術祭は、「県民による芸術発表等の促進」、「県民への芸術鑑賞機会の提供」及び「芸術文化団体等の活動促進」を三本の柱として、昭和三十七年度から実施しており、今年で二十五回目である。
昭和六十年度から、福島県芸術文化団体連合会の主管となり、民間団体の自由な発想で、活力に満ちた、県民に親しまれる芸術祭となった。
本年度は、相双地区を重点地区として、九月一日から十一月三十日までの三か月間に、相双地区を中心に十八の主催行事が実施され、また、全県下において六十九の参加行事が実施される。
十、(財)福島県文化振興基金
当基金は、県民による、自由で創造的な特色ある文化活動を推進するため、昭和五十四年に設立された。
事業運営の原資となる基本財産は、昭和六十二年九月末現在五億八千八百万円に達しており、ここから生じる利息により、県内の文化団体等の事業費の一部を助成している。
現在、基金を活用して事業を行っている文化団体等は年間約三百件で、設立以来これまでに二千二百件、およそ二億一千七百万円の助成を行っている。(表4参照)
表4 福島県文化振興基金
51〜61年度の助成事業実績 (単位:円)
〔助成事業〕
(一) 成果発表事業……文化活動を自ら行い、その成果を地域の住民に広く発表する場合に助成するもので、対象となる部門は、表4の十部門である。
(二) 発表会等への参加事業……県代表以上の資格で県内外(海外を含む一の発表会に参加する場合に助成の対象とする。
(三) 文化団体への事業費……全県的な連絡調整を目的とする県組織の文化団体に対し助成する。
(四) 特別事業……全県的に大きな影響を与え、県民文化の振興に著しく寄与すると認められる講演会等の事業に対し助成する。
(五) 文化財の保護事業……社寺等の所有する市町村指定の文化財の保護事業に対し助成する。
また、基金では、県内の文化活動の進展に伴い、助成率・助成額の適用方法や助成回数等について制度の一部改正を行い、昭和六十一年度より適用し