教育福島0133号(1988年(S63)09月)-002page

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文化の窓

県立博物館企画展案内

「東国のはにわ」

会期 十月八日(土)〜十二月十一日(日)

会場 県立博物館

埴輪は古代の日本人が生み出した芸術品の一つです。土で作られた人形の表情の中に、古代人の喜びや悲しみを感じとられる方も多いでしょう。ところが、素朴であどけない表情をたたえた人物埴輪も、土管のような形に作られた円筒埴輪も、歴史の資料として見ると、さまざまなことがわかってきます。埴輪は古墳を飾るためにたてられた土製品であり、高度な技術をもつ専門の工人によって厳密に作らた政治的産物なのです。埴輪の歴史を見ると古代の政治や社会の様子が浮かび上がってくるのです。

企画展『東国のはにわ』では、本県をはじめ、東北各地で発見された人物埴輪を中心に当時埴輪が盛んに作られた関東地方や関西地方の埴輪と比較しながら、"埴輪をめぐる古代の社会"を復元してゆきたいと考えています。企画展では、次のような五つのテーマを選んで展示を進めています。

一、「器財から人物へ」武器や武具を形どった器財埴輪の中から人物埴輪が誕生する様子を展示します。

二、「人物の誕生」東北、関東、関西の各地から初期の人物埴輪を選んで展示します。

三、「さまざまな人物」巫女をはじめ武人や貴人、さまざまな楽器を奏でる人々が登場します。琴弾きや力士など珍しい埴輪を各地から集めて展示します。

四、「埴輪工人集団の交流」東北地方で出土する埴輪を作った人々は、どこからやって来たのでしょう。謎に満ちた埴輪工人たちのルーツを探ります。

五、「東北の円筒埴輪」東北地方では、約百か所の埴輪を出土する遺跡が発見されています。この遺跡から発見される円筒埴輪は、遺跡の作られた時代を知る重要な手がかりになっています。展示では、県内を中心として東北各地の円筒埴輪を集めます。東北や関東・関西を代表する人物埴輪の数々が一堂に集まる展示会です。

記念講演「東国のはにわについて」

講師 明治大学教授大塚初重氏

日時 十月十六日(日)午後一時三十分〜

場所 県立博物館講堂

琴を弾く人(原山1号墳出土)

琴を弾く人(原山1号墳出土)

胡座を組む男子(神谷作101号墳出土)

胡座を組む男子(神谷作101号墳出土)

相撲をとる人(出土地不明)

相撲をとる人(出土地不明)


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