教育福島0155号(1991年(H03)06月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

−言葉の壁を乗り越えて−

国際化にふさわしい教育の話題をシリーズで掲載する「教育・イン・ザ・ワールド」。

今回は、生徒たちの国際理解に役立つ国際交流の場を積極的に設定し、効果をあげている県立郡山高校からのレポートです。

一、国際理解講演会「外国人から見た日本」の開催

平成二年十一月、郡山市内に滞在中の外国の若者たちを招き、全校生対象の講演会を開催しました。台湾出身の女子大生、インド出身の大学院生、インドネシア出身の大学生、それにアメリカ出身の英会話講師の四名です。日本と日本人、日本の高校生についての特質や問題点など、各国の政治的・文化的背景を踏まえて鋭く、厳しく指摘をしたり、切実な要望を率直に話してくれたりしました。彼らが、言葉の壁を乗り越えて懸命に話し、真剣に質問に答える真摯な姿は、本校生に大きな感銘を与え、決して忘れることのできないものとなりました。

二、サマーセミナー(英語集中講座)の開催

平成二年八月、本校英語科の生徒に他校からの参加者も加わり、AETなど五名のアメリカ人講師の指導のもと、サマーセミナーが開かれました。生徒たちは、英会話演習、ゲームなどを通して、通常の教室での授業とは違う貴重な体験を味わいました。生徒たちのアンケートでも、「外国人講師はやさしくて楽しい。」、「このような機会をもっとふやしてほしい。」などの感想や要望が多数ありました。

三、ティーム・ティーチング(協同授業)への外国人ゲストの招待

一昨年の七月に、カナダから来日した高校生たちを、ティーム・ティーチングの授業に招き、自己紹介やカナダの生活様式などについての話をしてもらいました。また、小グループに分かれて、英会話表現の実演及び指導をしてもらいました。生徒たちは、教室の中で同世代の外国人たちのナマの英語を直接聞きながら学習し指導を受けることができるとは思いもよらなかったためか、実に真剣で楽しそうでした。

また、昨年の二月には、アメリカのネブラスカ州から来日したオマハ市の元ラジオ・テレビ局員ウィリアム・テンプリン氏をティーム・ティーチングの授業に招いて、日本についての印象とネブラスカ州の様子について話をしてもらいました。生徒からの質問が多く、充実した授業となりました。終わった後の生徒たちの満ち足りた表情がとても印象的でした。

今後も、生徒たちの要望に少しでも応えられるよう、楽しくかっ役に立つティーム・ティーチングを行うとともに、生徒たちの国際理解に一層役立つ学習の場を可能な限り設定できるよう努力していきたいと思います。

サマーセミナーでのく楽しい演習

サマーセミナーでのく楽しい演習

テンプリン氏のスピーチを熱心に聴く生徒

テンプリン氏のスピーチを熱心に聴く生徒

下段右 カナダの高校生を紹介するAET

下段右 カナダの高校生を紹介するAET

下段左 カナダの高校生との授業風景

下段左 カナダの高校生との授業風景


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