教育福島0157号(1991年(H03)09月)-016page
自分の能力・適性等を考えさせながら将来の希望の職業について感想文を書いて、次年度の職場体験学習に対しての心構えをつける。
見学した職業・職場について正しい理解をし、勤労の尊さや働くことの喜びを体験したととを発表する場面を設ける。
(四) 一高校訪問(三年)
(1) ねらい
1) 高校(普通科)について正しく理解し、主体的な進路選択ができる。
2) より具体的な高校の情報(普通科に関する)を得て、自己の適性に照らし合わせた進路について考えることができる。
3) 訪問のしかた、人との対応のしかたを通して、社会性を高める。
(2) 評価のために
普通科やその高校について、正しい理解ができたか。また、普通科やその高校について、主体的に情報を得ることができたかを、報告書を書かせ、高校訪問の体験学習の有効性をさぐる。
(五) 啓発的体験学習の指導にあたって
学級活動との関連を十分考慮し、あらかじめ教育課程に位置づけて柔軟性をもたせて指導にあたる。
六、研究の評価
(一) 進路の発達段階の評価・進路達成評価
(1) 進路の発達段階の評価
1) 自己理解への意欲の発達
2) 仕事への意欲(職業観・勤労観)の発達
3) 自己実現への判断力の発達
4) 学級集団の進路意識の高揚の発達
(資料5)
(2) 進路達成・進路適応の評価(卒業生の追跡調査)
1) 希望進路の達成
2) 新しい進路への適応
3) 進路選択時の配慮事項
(二) 進路指導研究の評価
最近の新しい評価の考え方に立つと、研究の評価はその過程にも目を向けて評価をする必要がある。
(1) 研究を計画(P)--実践(D)--評価(S)--計画(P')という継続的な過程を踏まえ、適切な時期に評価できるようにする。
(2) 研究への取り組みの実態を「共通理解」「実践への意欲」「協力的態度」という三点から評価を加える。
(資料6)
(3) 評価に、「達成度」「改善策」を設けて、研究成果を実践に生かすようにする。
(資料7)
七、研究のまとめと今後の課題
(研究一年次)
資料5 生徒用アンケート(一部)
「進路学習を振り返って」
資料6 教師用アンケート(一部)
進路指導研究の評価アンケート
資料7 成果を生かす計画
(一) 研究結果の考察
(1) 進路指導の計画の作成により、系統的・継続的な指導をすすめる基礎固めができた。
(2) 本校としての自己実現のとらえ方を明確にすることで、それを可能にするための学習指導案の形式の工夫、授業展開の工夫がなされた。
(3) 生徒のみならず、保護者の進路意識を啓発するために情報の提供がなされた。
(4) 啓発的体験学習の計画と実施で、望ましい職業観・動労観を身につける一つのよい契機となった。
(二) 今後の課題
(1) 生徒の進路意識・関心の変容の把握
(2) 進路ノート(学習プリント)の蓄積とその有効な利用の工夫
(3) 授業の指導形態の一層の工夫と、グループに対する学習のすすめ方の指導
(4) 進路相談の時間の確保と進路相談の推進
(5) 進路に関する資料・情報の整備と提供の仕方
(6) 諸調査・検査の実施・継続と分析の推進
(7) 啓発的体験学習の継続的実施と意識の変容の分析
八、研究の成果の活用
研究の成果の要因を明らかにすることで一般性をもち、成果を活用することで継続性・発展性をもつ。