教育福島0162号(1992年(H04)04月)-004page
文化の窓
県立美術館企画展案内
「斎藤清・会津の冬」展
会期5月23目(土)〜6月21日(日)
このたび、福島県立美術館では「斎藤清・会津の冬」展を開催いたします。
会津坂下町に生まれた斎藤清氏は、版画、特に木版画の分野で優れた作品を数多く制作し、現代日本を代表する作家として、国内外で高く評価されています。
現在もなお精力的に活動している斎藤清氏ですが、数多い作品群の中でも、とりわけ有名なのが、雪に埋もれた会津を描いた「会津の冬」の連作でしょう。一九七〇年に始まったこのシリーズも、一九九二年春、百作目を迎えました。初期の「会津の冬(坂下)」から考えると実に五十年以上にわたって、同じテーマで制作を続けていることになります。この希有な事実からは、このテーマに寄せる作家の並々ならない愛情と、制作し続けることへの強い意志を感じとることができます。
本展では、「会津の冬」百作目を記念し、この連作のすべてを一堂に展観します。同時に、一九四〇年代から制作され続けてきた初期の「会津の冬」作品も併せて紹介します。
目まぐるしい変転をみせる現代の美術界にあって、時流に流されることなく独自の世界を描き続けている斎藤清氏の世界を展望するとともに、半世紀にわたって追究されてきた「会津の冬」をとおして、作家の関心や意識、作風の変遷をも窺うことのできる絶好の機会となることと思います。
観覧料
一般・大学生820(660)円
高校生610(460)円
小・中学生410(300)円
※( )内は20名以上の団体料金休館日毎週月曜日
「会津の冬(80)柳津」1989
「会津の冬(82)柳津」1989
「会津の冬(54)1982
「会津の冬(73)青木」1987