教育福島0168号(1993年(H05)01月)-004page
美術館だより
企画展案内
ファイバー・アート−糸と布の可能性−
会期2月6日(土)〜3月21日(日) 会場県立美術館企画展示室
1960年代、現代的な新しいタピストリーを追求するなかでファイバー・アートは誕生しました。織りの技法や素材を駆使しながら自由な構成体や空間を模索するその繊維の新しい造形は、70年代日本でも盛んに行われ、繊細な感性と斬新な造形感覚を持った多くの作家を輩出し、海外から高く評価されました。その後、染めや絵画、彫刻といった他の分野からの参加や、使用される素材や技法の拡大によって多岐多様な表現が活発に行われるようになり、今や現代美術の大きな可能性を内在する分野として急速に注目を集めるようになっています。
本展は、ファイバー・アートの旗手としてその最前線を担ってきた作家13名の近作・新作を展示し、各々の作家が糸と布の造形の可能性を引き出すためにどのような視点から取り組んでいるかを概観しようとするものです。糸、布、織り、彫刻と大きく特色づけられた各展示室いっぱいに拡がる作品からは、現代の息吹が伝わってきます。
■出品作家
石田智子 草間◆雄 久保田繁雄
熊井恭子 小林尚美 小林正和
佐久間美智子 榛葉莟子 車季南
徳重恵美子 中村木美 吉田晃良
吉村正郎
熊井恭子「AIR」
吉田晃良「Surface of the Lake,1993」
佐久間美智子「BREATHING」
車季南「Flowing」