教育福島0171号(1993年(H05)06月)-051page

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教育・イン・ザ・ワールド

−国の将来を夢見て−

−国の将来を夢見て−

国際化にふさわしい教育の話題をシリースで紹介する「教育・イン・ザ・ワールド」今回は、文部省海外教育事情視察福島県団の一員としてヨー口ッパを訪問してこられた清野要(二本松市立平石小校長)先生によるスペイン教育事情の紹介です。

平成4年11月6日から16日間にわたり訪問したヨーロッパ4ヵ国のうち、スペインの教育事情について紹介します。

訪問先は、バルセロナ市にあるカタロニア州教育庁と同市に隣接するコルネリア市の諸学校です。地中海に面したカタロニア州は、経済的にも恵まれ、カタロニアとしての自負と誇りを持つ地域です。教育面では、現在国の新教育法に基づき諸改革が実施されています。カタラン語教育の推進、義務教育年数の延長、教育課程の改善と個性重視教育の推進などです。中でも、言語教育については、カタロニア地方の歴史的背景を踏まえ、地域の言語であるカタラン語の指導を学校教育の中に位置付けています。郷土の歴史と文化、伝統を大事にする指導が、初等教育の段階から行われていることを感じました。

各学校の訪問では、施設や授業参観を通して子供の考えを大事にし、子供たちの生活との結び付きを強調した指導が行われています。年間を通したテーマに基づく環境構成、全体的な色彩のあざやかさ、本物のコインを便った算数の学習、6才児の教室にさりげなく貼付されている男女の体の掲示物などは、特に印象的でした。

明るくにぎやかに私たちを迎えてくれた高校生も、教室では変身。卒業後の仕事や、上級学校への進学を夢みて実に真剣な態度で学習していました。

「外に出ないと自分の家の屋根は見えない。」とは、出発前の団長のあいさつ。世界一流の教育と自他ともに認める日本ですが、今回の視察により、他国でも我が国と同じように、いやそれ以上に努力していると感じたのは、私だけではなさそうです。

@イ イリア専門学校−物理の実験室でそっと近づくとsusi(すし)、背中で歓迎?

▲−エステベ テラダス イ イリア専門学校−物理の実験室でそっと近づくとsusi(すし)、背中で歓迎?

学校−みんなボース!!元気な子供たら、言葉が通じなくても私たちを大歓迎…。

▲−ピウス12世公立学校−みんなボース!!元気な子供たら、言葉が通じなくても私たちを大歓迎…。

▲−ピウス12世公立学校−お友達と一緒に…。木の様子を観察してノートに描いて切りとって…。

ユを使っての実験。1mmのくるいもなく、ここでの実験が実際の仕事に直結する。

▲−エヌテべ テラダス イ イリア専門学校−旋盤を使っての実験。1mmのくるいもなく、ここでの実験が実際の仕事に直結する。

「公立学校−6才児の教室の掲示物。体の違いについての学習は小さいうちから。

▲−ピウス12世公立学校−6才児の教室の掲示物。体の違いについての学習は小さいうちから。


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