教育福島0172号(1993年(H05)07月)-043page

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教育ひと口メモ

自閉症

福島県養護教育センター

 

自閉症とは?

 

一九四三年にカナーが自閉症の症例を報告して以来、自閉症の概念は変遷を重ね、現在もまだそれが続いています。

今から十五、六年前、自閉症は、両親の養育態度による情緒障害であろうと言われていました。しかし、研究が進むにつれて、そうではなく、なんらかの原因によって脳機能の障害が起こり、それによる発達障害の一つであろうということが分かってきています。

新聞や雑誌、テレビなどが「自閉症」のことを取り上げ、しばしば報道しているため、多くの人に「自閉症」という用語は知られるようになりました。三、四年前には、ダスティンホフマン主演のアメリカ映画「レインマン」が、自閉症者そのものをテーマに放映され、話題になりました。

「自閉」という漢字のもつイメージから、しばしば、自分の殻に閉じ込もって、人との接触を極端に嫌う病気だろうと解釈されがちですが、実際には、図のような特徴を示します。

 

[図]自閉症の特徴の具体例

 

決めつけるのも危険です。大切なことは、早期に専門医に診てもらうことです。

 

自閉症だから、これらすべての特徴を示すというわけではありません。また、これらの特徴のいくつかがみられるから自閉症であると決めつけるのも危険です。大切なことは、早期に専門医に診てもらうことです。

 

学校における自閉児への指導

 

一口に自閉児といっても、その障害の内容、程度は一様ではありません。一人一人の実態に応じて、最も適切な教育の場を確保し、発達の不均衡や対人関係の障害を踏まえた指導援助が必要です。

自閉児の教育の原則は、日常生活の指導やいろいろな遊びを通して、子どもに少しずつ周りの人たちとのコミュニケーション関係を深めさせることです。

そのためには、具体的な学校生活の場面で

1) 教師がその子にとって味方になってくれる人だという信頼関係を樹立すること

2) 特に教室を安心して行動できる場所にすること

3) 毎時の授業のねらいを焦点化し、事態の変化にも対処できる弾力的な計画を立てること

4) 子どもに合った教材を準備したり、環境を調整したり、援助を与えたりすることが大切になります。

 

※詳しくは、福島県養護教育センター発刊の心身障害児ハンドブック第一集「自閉症」をご覧ください。

 

 

 


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