教育福島0179号(1994年(H06)06月)-037page

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教育ひと口メモ

「学校給食の手引」の発行

保健体育課

 

文部省は、平成元年に学習指導要綱を全面改訂し、学校においては、体力向上及び健康の保持増進に努め、生涯を通じて健康で安全な生活を送るための基礎を培うとともに、個に応じた指導方法の工夫改善に努めるよう配慮することとしました。これに伴い、学校給食は学校教育活動を通した生涯にわたる健康教育として位置づけ、平成四年七月に「学校給食指導の手引」を改訂しました。

福島県においては、「よりよい学校給食のために」(昭和五十一年一月発行)が長く給食関係者の手引でしたが、平成六年三月に時代の変化を考慮した関係者のニーズに応じ、「学校給食の手引」を、新たに発行しました。新しい手引は六章で構成されており、その内容について紹介します。

第一章 学校給食の重要性

学校給食は、「児童生徒に、栄養のバランスのとれた食事を提供することにより、健康の増進・体位の向上を図る」だけでなく、健康教育の一環として、「自らが主体的に望ましい食生活を営んでいく能力を身に付ける」ことや、「食事を通じて、好ましい人間関係を育てる」ことなどの重要な役割を担っています。

第二章 学校給食の運営管理

学校給食は、調理方式やその規模の特性を踏まえ、長所を最大限に生かした運営が望まれます。また、食事内容を高める施設設備の整備充実やより良い食事環境の雰囲気づくりが必要です。

さらに、献立の作成、食材料の購入、検収、調理、配食は適正に行われるよう管理することが大切です。衛生管理上の留意点としては、衛生管理体制の整備や調理従事員の衛生意識を徹底させ、検食や保存食を励行し、異常のあった場合には迅速に対策を講じる必要があります。

第三章 学校給食の指導

学校給食は、単に食事を提供するだけではありません。まず給食の指導は、教育課程上の「学習活動」として極めて重要な学校教育活動だという共通理解が大切です。

そのために、学校給食指導計画を作成し、小学校・中学校の月別目標と指導内容、そのねらいを具体化することが必要です。

また、望ましい食生活を送る能力を育成するために、学校と家庭・地域との三位一体となった連携が重要です。その実践例を紹介しています。

学校給食は、児童生徒と教師が一緒に共通の食事を取り、教師と児童生徒の心の交流を図ることができます。このような、給食の特性を生かした指導工夫が必要です。

そこで、給食時間における指導や特別活動における指導、教科との関連を図った指導を行うとともに個人差に応じた指導も行い、望ましい食事マナーや好ましい人間関係を育て、健康づくりのための自己管理能力の育成を目指しています。

第四章 給食関係事務

学校給食費を決定する場合、保護者負担の軽減を図り、学校給食会計の経済的効率を高めることが必要です。

一方、国庫補助金として、学校給食施設設備整備費補助金、要保護及準要保護児童生徒援助費補助金や高等学校定時制及通信教育振興奨励費補助金があり、補助金制度を効率的に利用し、適正に執行することが大切です。

第五章 福島県学校給食会の業務

学校給食会の業務は、学校給食用の物資を適正円滑に供給し、併せて学校給食の普及充実と、その健全な発展を図ることを目的としています。そのため、良質安全で低廉な物質を安定的に供給しています。また、各種研修会や講習会を開催しています。

第六章 参考資料

文部省からの各種通知を記載しました。

心とからだの調和のとれたハーモニーから生き生きした表情が生まれます。生き生きした表情は、明るく個性豊かな給食から誕生すると確信します。

給食指導のガイドブックとして、「学校給食の手引」が関係職員間で幅広く活用され、学校給食の重要性について関係職員間相互の共通理解が図られることを望んでいます。

 

 

 


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