教育福島0179号(1994年(H06)06月)-051page
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教育・イン・ザ・ワールド
アメリカはHIVによる感染爆発をおこし、イギリスは、それを教育により抑制できたと言われています。
そんな折、文部省教員海外派遣研修の機会に恵まれ、団長、渉外担当の先生2人、添乗員1人以外は全国18都県の学校種別もいろいろな養護教諭の構成メンバーからなる第32団の一員として、イギリス(ロンドン)、フランス(パリ)、アメリカ合衆国(ニューヨーク州)を視察して参りました。32団の特性もふまえて文部省健康教育課から現在世界的な大問題であるエイズ(HIV)への各国の取り組みの状況を視察の観点に明確に位置づけるようにとの助言も戴き、各国の学校や教育委員会等の教育施設だけでなく、イギリスの地域保健局、フランスでは国立エイズセンターやCRIPS(エイズの予防と情報に関する地方センター)等のエイズ関係機関を訪問する機会にも恵まれ、意義ある研修ができました。
「イギリスでは、エイズ予防は性教育以外にない。教育が最大の武器である。エイズから子供を守るのは、親、教師以外にないという考えを基盤に、教育に力をいれてきた。」と訪問校で伺いました。
1980年に性教育に関する法律が作られたイギリスでは、性教育を基盤にしたエイズ教育が国内に浸透して充実発展したものになっているのか、大きな興味と関心をもっての視察でしたが、国の体制が形として整っていても実践の難しさを感じたのは私だけではなかったようです。
各国のエイズ問題は、その患者数と増加の速度において、日本よりはるかに深刻な状況にありました。各国の拡大防止のための必死の努力は私たち日本の社会においても参考になると思いました。
母国語を英語としない多国籍の人たちにわかるようにと、何ヶ国語ものパンフレットやポスターの作成とか、多国籍人種毎のトレーニング(教育)実践をみるにつけても、日本語だけで教育ができる基盤のある日本に感謝してしまいました。
エイズの教育による知識の普及は、エイズの拡大防止にとって必須の課題であることを以前にも増して強く感じての帰国となりました。
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▲エイス予防の呼びかけ
▲フランス地下鉄通路の掲示
▲成田空港ロビーのハイビジョン
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▲エイズ教育(フランス:ウォルテール中、高等字校の生物の授業)
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▲禁煙教育(イキリス:キングジョージ総合中学校の化学の授業)
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▲小学1年生から心肺蘇生法の学習(イギリス聖公会立小学校)
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