教育福島0180号(1994年(H06)07月)-019page
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を育てる指導に努めること
イ 一人一人の生徒の能力、適性、興味、欲求、性格等の総合的な理解に努め、それぞれの潜在的な資質や可能性を最大限に伸長するための進路相談を進めること
ウ 各学年における進路指導の発展、系統を明らかにしてそれぞれの学年の指導に当たること
(2) 保護者の理解を深める。
本来の進路指導は、保護者・地域社会のかかわりの中で推進される。そのため、広報資料の作成・配布や保護者会などを通じて不安をなくすよう、継続的に理解を深めていく必要がある。各種テストの結果は学力の側面的なものであり、特に生徒の進路選択に当たっては、生徒自らが判断する資料の一つとして活用すべきものである。
このことについて保護者の理解を得るよう配慮するとともに、公的テストを実施する学校においては利用の適正化に努めなければならない。
(3) 教員研修の充実を図る。
各学校の進路指導を推進するには教師一人一人が進路指導に対する理解を深め、指導の力量を高めることが大切である。そのための教師のたゆみない研修が望まれる。このような研修は、校内で日常的に行われることが大切であり、効果的である。
ア 実態に即したテーマを決め、定期的に研修会を実施する。
イ 進路指導部会や委員会や開いて計画を点検・評価する。
ウ 学級活動の研究授業を実施する。
研修を通じて、進路指導の重要性を再認識し、進路選択の主体は生徒であることを踏まえ、生徒が自らの意志と責任で決定していけるよう指導・援助することが大切である。
九 へき地・小規模校教育の充実
へき地・小規模校教育を充実するには、へき地という地域性からくる教育上の問題、あるいは小規模校、複式編成という条件や形態から生じる課題を十分に考慮し、適切に対応することが大切である。
学習指導要領の趣旨の実現のためにも、豊かな自然に恵まれたへき地や少人数の特性を生かせる小規模校のメリットを生かし、児童生徒の側に立った学習指導や個に応じた指導を進めるなど、へき地・小規模校だからこそ可能な教育の創造と実践が強く望まれる。
1 特性を生かす学校・学級経営
(1) 特性を生かす教育課程の展開
へき地・小規模校の特性をとらえ直すと、次のようなことがあげられる。
ア 児童生徒数が少ないために、一人一人に応じた指導が行い易い。
イ 地域的に豊かな自然環境に恵まれ、それらを教材化したり、体験活動に生かしたりすることができる。
ウ 地域が学校に対して期待と関心を持ち協力的である。さらに学校と家庭や地域との連帯感や一体感が強い。
エ 教職員組織上、十分に共通理解を図ることができ、一体となった指導体制づくりがしやすい。
したがって、へき地・小規模校においては、プラス面の特性を積極的に生かし、指導計画の作成や指導方法等について具体的に工夫・改善を図り、教育課程を展開していかなければならない。
(2) 家庭、地域との連携を図る経営
地域住民の協力が得やすいへき地・小規模校においては、地域の人々の知識や技術を学校教育の中で積極的に活用するとともに、家庭や地域社会に積極的に働きかけ、その教育力が十分発揮されるよう配慮することが大切である。
(3) 他校との交流を図る経営
各学校では近隣の学校と学校行事や自然教室、宿泊訓練などを合同で行ったりする活動を通じて児童生徒が幅広い体験を得て視野を広げ、豊かな人間形成が図られるように配慮する。大集団の中で学習する機会を与え、その中で自己を見つめ、協調性や向上心を育てることは重要である。
2 少人数の特注をふまえた授業
(1) 少人数をふまえた授業
へき地・小規模校では学習指導要領の趣旨の具体化を有効に図っていける条件を多く備えており、個に応じた指導がしゃすい。そのためには、一人一人の児童生徒の特性をよく把握し、それを指導に生かすことが大切である。
ア 個に応じた学習課題の設定
イ 個に応じた学習時間や学習量の調整
ウ 学習コースの自由な選択
エ 向上意欲を高め合う、話し合い活動や集団思考の場の設定
(2) 主体的な学習態度の育成
複式学級においては、異学年との学習になるので自学自習の時間が多くなり、各児童生徒の状況に応じた柔軟な指導に配慮しなければならない。
ア 意欲的・主体的に展開できるような指導過程の工夫
イ 目標や学習課題が一人一人に機
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