教育福島0183号(1994年(H06)11月)-004page
文化の窓
県立博物館
平成6年度第4回企画展
『村芝居の世界』
−みる・かう・ならう−
会期 1月21日(土)〜3月26日(日)
休館日 毎週月曜日、3月22日(水)
昭和三十年代に、日本全国の家庭に広くテレビが普及するまで、人々にとって最高の娯楽は映画であり、芝居見物であったといえるでしょう。とりわけ芝居見物は、江戸時代以来引き続いて人々の娯楽の王座にあったのでした。
芝居には見るだけでなく、自分たち自身が芝居を演じる楽しさもありました。地芝居とも呼ばれてきた歌舞伎は、江戸時代には県内各地で演じられ、その伝統は一部現在まで続いています。
今回の企画展では、江戸時代を初め明治・大正の史料にたびたび見られる、歌舞伎芝居や人形芝居、軽業などの芝居興行の記録を初め、昭和三十年頃まで盛んに行われてきた村の芝居興行などを取り上げます。これらの史・資料から芝居がどのような機会に、どのように演じられてきたのかを紹介し、あわせて村の芝居興行の中心になって活躍した若者たちや、村の役者たちについても紹介する予定です。
また、祭礼などの時に日を限って演じられる芝居興行だけでなく、県内にかつて数多く存在していた常打ちの芝居小屋についてもあわせて紹介します。
この展示を通して、人々の生活の中で芝居がどのような意味を持ち、どれほどのウェートを占めていたのか、その位置づけをしてみたいと考えています。
〔企画展記念講演会〕
「村芝居と農村舞台」
前東洋大学教授
景山正隆氏
一月二十九日(日) 午後一時三十分
▲「歌舞伎絵馬」
▲「舞台の落書き」
▲「奉納芝居=雑記」
▲役者番付