教育福島0189号(1995年(H07)09月)-035page

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教育ひとロメモ

デジタル補聴器

 

数年前から、コンピュータでコントロールするデジタル補聴器が登場しました。今回は、このデジタル補聴器について説明します。

 

一、補聴器の種類

 

補聴器の種類には、携帯用小型補聴器、骨導補聴器、FM補聴器等があります。

一般的に多く使われている補聴器は、携帯用小型補聴器です。携帯用小型補聴器には、箱形補聴器と耳掛け形補聴器及び挿入形補聴器があります。

(図一参照)

 

図1 携帯用小型補聴器

 

二、デジタル補聴器とは

 

二、デジタル補聴器とは

 

聴覚に障害がある人は、一人ひとり聞こえの状態が違うため、補聴器を一人ひとりの最適な音質、音量、出力に合わせなければなりません。これを補聴器のフィッティングと言います。

デジタル補聴器は、音声をデジタル変換し聞こえの程度や使用環境をコンピュータでコントロールしてフィッティングします。

例えば、私たちが日常生活を営むためには、次のような環境音が考えられます。

1) 学校又は仕事場

2) 家庭

3) その他の場所

これら三つのタイプの環境音はそれぞれ違います。今までの補聴器のように、統一された補聴器のフィッティングでは、ある環境音では、音が多すぎたり、不足したりしました。

また、聞きたい音声と一緒に雑音が入り不快に感じたりすることがありました。

しかし、デジタル補聴器ですと、自分が聞きたい環境に合わせて自分で設定ができ、切り替えて使用することができます。また、聞こえは年を取ることによっても変化しますが、それに合わせて自由にフィッティングすることができます。

その反面、環境音を自分で判断して切り替えて使用しますので、小さな子どもには、操作が難しく、中学生以上の子どもに適しています。

現在、デジタル補聴器は従来の補聴器に比べ、種類は耳掛け形と箱形の二種類に限られ、値段も高めです。また、補聴器のフィッティングに特定の装置が必要なため、まだ広く普及はしていません。

(図二参照)

図2

 

三、補聴器を選択する場合は

 

三、補聴器を選択する場合は

補聴器は、毎日使うものですから、耳鼻科の医師の指導のもとに、補聴器専門相談員のいる販売店で、自分の普段の聞こえの状態、これまでの聞こえの経過、使用の目的等を詳しく説明して購入することが大切です。

なお、補聴器は精密機械ですので、アフターサービスのしっかりした補聴器専門店での相談をお勧めします。

 

 

 


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