教育福島0190号(1995年(H07)10月)-004page
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文化の窓
平成7年度第5回企画展
珠玉の陶芸
「板谷波山」展
会期:IO月28日仕〕〜11月26日(日)
会場:福島県立美術館
明治末から昭和の前半にかけて活躍した板谷波山(1872-1963)は、近代陶芸のパイオニアとして高く評価されています。本展は波山の没後最大の回顧展です。
板谷波山は茨城県下館市に生まれ、はじめ東京美術学校の彫刻科に学びました。後に苦労して窯を築き、意欲的な作品を次々に発表していきました。中でもアール・ヌーヴォーからアジアの染織模様にいた」る様々なデザインを研究し、陶磁器の意匠改革をなしとげたことは評価されています。また一方では、新しくもたらされた西洋の焼成、粕薬の実験に取り組み、「葆光彩磁」を生み出しました。葆光彩磁は、薄肉彫りを施した磁器の表面に下絵付けし、その上からヴェールのような半透明の粕薬を掛ける方法で、その格調の高い美しさは比類のないものです。波山はこれらの新しい試みによって、絵画、彫刻と肩を並べる芸術表現を可能にしました。
なお、作陶を陰で支えたまる夫人は会津坂下町出身であり、波山は本県にゆかりの作家といえるでしょう。
本展では藻光彩磁、白磁、青磁、天目から西洋のマジョリカ写しまでの代表作品約130点と図案研究の跡を示すデッサン類によって、波山芸術の全貌をご紹介します。
葆光青磁唐花彫文花瓶1920〜22年
藻光彩磁チューリップ文花瓶
1917年頃石川県立美術館蔵
彩磁月桂樹撫子文花瓶
1913年出光美術館蔵
棟光彩磁性丹唐草花瓶
1930年敦井美術館蔵
観覧料一般・大学生820円(660円)
高校生610円(460円)
小・中学生410円(300円)
※( )内は20名以上の団体
■講演会■
「板谷波山の陶芸」
長谷部 満彦 (県立美術館長)
11/3(金) 14:00〜
美術館講堂にて (聴講自由)
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