教育福島0190号(1995年(H07)10月)-043page

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県文化功労賞、教育・文化関係表彰者決まる

 

杉本栄夫氏 山崎義人氏に文化功労賞

 

平成七年度の県文化功労賞受賞者に芸術部門(民謡領域)の杉本栄夫氏と、科学部門(郷土史)の山崎義人氏の二名が決まりました。

県教育委員会は、九月十四日(木)の定例教育委員会の席で本年度の県文化功労者及び教育・文化関係表彰者を決定しました。これを受けて同日の十六時から新妻威男県教育長が記者会見を行い、文化功労賞受賞者二名、教育・文化関係功労者二十二名、教育・文化功績顕著な十二団体・施設及び永年勤続表彰者四百五十四名を決定しました。

本県の教育・文化の振興発展に貢献し、その功績が顕著であるとして表彰を受ける方々は別掲のとおりで、表彰式は来る十一月三日(金)の文化の日に県文化センターにおいて挙行されます。

 

文化功労賞受賞者

 

福島県の文化の向上に著しい業績を残された個人に授与される福島県文化功労賞の受賞者には杉本栄夫氏(八十歳・相馬市)山崎義人氏(八十六歳・郡山市)の二名が選ばれました。両氏の略歴と業績は下に記したとおりです。

 

芸術部門(民謡)

杉本栄夫氏

 

【主な功績】

 

【主な功績】

 

1 幼少の頃より民謡を志し、堀内流民謡初代家元故堀内秀之進に師事し、稼業に励むかたわら正しい郷土民謡の唄い方を研究、修練する。

また、民謡の統一を図るべく県内はもとより、広く各方面に民謡教室を開設して後進の指導にあたり、七十年以上の長きにわたり普及、保存及び振興に努めた。

2 昭和五十三年に福島県民謡連盟を結成、副会長に就任。その後、(財)日本民謡協会福島県連合委員会副委員長、(財)日本民謡協会参与。平成五年に福島県民謡連盟会長に就任し、平成七年からは同連盟の常任顧問として指導力を発揮している。

3 国指定重要無形民族文化財「相馬野馬追」には、昭和五年十四歳にして初出場し、二十六年より軍者、四十三年より副軍師となって約六十回連続出場している。

また、宇多郷騎馬会発足と同時に理事を務め、昭和四十年副会長に就任、その後会長となり五期十年間その任を果たし、野馬追の保存と振興に尽くした。

 

科学部門(郷土史)

山崎義人氏

 

【主な力蹟】

 

【主な力蹟】

 

1 昭和六年宮内省図書寮(宮内省図書館)に勤め、学習院図書館を経て福島県立図書館郡山分館に転出し、戦中戦後の混乱期の中で、県・市の図書館創立業務に当たり、県内の図書館の充実強化を行い、県民の文化向上に貢献した。

また、永年にわたり図書館の奉仕活動にとどまらず、その分野を越えた視聴覚教育、生涯学習、文化の振興、地方史研究活動の指導等に取り組み、多くの人材を指導し発掘するなど、文化人、研究者等を育成した。

2 県初の図書館司書として、県の事務官を始め、図書館協議会委員、図書館対策委員長、県公共図書館協議会副会長、北日本図書館連盟理事等を歴任し、図書館の充実強化、振興に努めた。

また、県考古学副会長兼事務局長、県公明選挙推進委員長、県児童文学研究会顧問として広い分野にわたって活躍した。

3 図書館退職後は、学識経験を生かし、地方史、文化史の研究を重ね、数多くの著書を著作発刊し、特に情熱を持って収集した古文書や行政文書の資料を駆使して発表した多くの著書は、後世に貴重な文献として大きく役立っている。

現在八十六歳の高齢にもかかわらず、歴史資料の発掘と著述に意欲を燃やし、公文書法による文書館(歴史史料館)の設立に向けて、精力的に取り組んでいる。

 

 

 


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