教育福島0195号(1996年(H08)06月)-019page

一年次においては、すべての高校生に履修が義務付けられている必修科目と総合学科に特有な科目である原則履修科目の「産業社会と人間」と「情報基礎」を学習します。

　

社会福祉実習室等を増設

総合学科の開設に伴い、各種実習や選択授業の増加から、社会福祉実習室やLL教室、大講義室、談話室などを備えた校舎の増築を計画しています。こにれにより、総合学科の特色を生かせる授業が展開されることになります。

　

双葉農業高校

　

双葉郡唯一の農業高校昭和三十三年、県立浪江高校大野分校と県立富岡高校農業部が合併、独立し、県立双葉農業高等学校となりました。三十六年には定時制課程を募集停止し、全日制課程を設置しました。その後、何度かの学科改編を経て、現在は産業技術科、農業土木科の工学科編成となっています。

その間、双葉郡唯一の農業高校として、多くの有為な人材を輩出するとともに、地域の農業振興に努めてきました。

　

新しい魅力の導入−総合学科高校

平成五年二月、文部省の高校教育改革推進会議の第四次報告や同年六月の福島県学校教育審議会の答申は特色ある個性的な教育の推進とともに、生徒の持つ様々な能力・適性等に対応できるよう、総合学科の設置を提言しました。新しい魅力を持った学校づくりを模索していた双葉農業高校にとって、総合学科は、これまでの伝統を生かしながら、地域や生徒の多様な学習ニーズにこたえることができる画期的なものでした。

そして全校一丸となり、総合学科への研究を進めた結果、総合学科の系列を次の五系列に設定しました。

　

双葉農業の系列

(1)　「人文科学」系列

(2)　「自然科学」系列

(3)　「生活文化」系列

(4)　「環境・建設」系列

(5)　「国際・流通」系列

各系列の学習と進路の目標は次のようになります。

　

【人文科学】系列

人文科学に関する幅広い教養を身につけ、社会の変化に主体的に対応できる能力と態度を育てます。さらに文科系大学を中心とした上級学校への進学を目指します。

　

【自然科学】系列

自然科学に関する幅広い教養を身につけ、社会の変化に主体的に対応できる能力と態度を育てます。さらに自然科学に親しみながら、理科系大学を中心とした上級学校への進学を目指します。

　

　

【生活文化】系列

生活文化に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得し、豊かな生活文化創造に取り組み、社会の変化に主体的に対応できる能力と態度を育てます。さらに、資格の取得や、上級学校への進学、関連企業・団体などへの就職を目指します。

　

【環境・建設】系列

生物資源並びに生活環境の整備と建設に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得し、環境についての理解を深め、科学技術の進展や社会の変化に対応できる能力と態度を育てます。さらに、資格の取得や、上級学校への進学、関連企業・団体などへの就職を目指します。

　

【国際・流通】系列

国際理解を深め、商業・ビジネス・経済に関する基礎的・基本的な知識と技術を習得させ、国際間の経済活動や交流に、適切に対応できる能力と態度を育てます。さらに、資格の取得や、上級学校への進学、関連企業・団体などへの就職を目指します。各系列に設けた選択科目は表3のようになります。双葉農業高校の総合学科の特徴は、

○演習科目を多く設定し、大学進学にも対応できるようにしていること。

○環境工学などの科目を設置し、造園緑化を中心として、地球環境保全についての学習を重視していること。

○情報処理や中国語なども設置し情報化、国際化にも対応できるようにしたこと。