教育福島0195号(1996年(H08)06月)-045page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

管内教育相談事業 義務教育課

 

一 生徒指導の意義をふまえて

 

生徒指導は全児童・生徒を対象として行われるものである。そして、個性の伸張をはじめ、 一人一人の望ましい社会性の発達を目指して行われるものである。学校教育はこれら生徒指導の意義をふまえて行われていることは、当然であるが、それにもかかわらず、児童生徒のいじめや登校拒否、その他問題行動等が発生していることも事実である。

県教育委員会としては、「いじめ登校拒否問題の解決、未然防止」を、「基礎学力の向上」とともに学校教育上の最重要課題と考え、諸事業を実施している。

そして、県全体として行う事業と各教育事務所ごとに行っている事業とがあるが、市町村教育委員会との連携を図りながら、教職員研修とともに教育相談体制の確立並びに教育相談員等の研修、連携強化等を進めている。(この内容については、本号「生徒指導の充実」参照)

 

二 管内教育相談

 

(1) 巡回面接教育相談員の配置

登校拒否は誰にでも起こり得るし、どの学校にも発生すると予想される。そこで、登校拒否児童生徒や保護者、学校に対して、適切な指導援助を行うために、昨年度までの兼任ではなく、専任の巡回面接教育相談員(以下相談員)を各教育事務所ごとに一名ずつ配置し、教育相談活動や学校支援体制の強化に努めている。

 

勤務は月十六日以内、午前九時十五分から午後四時まで。

各小・中学校等の登校拒否問題について、指導支援の在り方等について、助言指導を行う。通常各教育事務所の計画により、登校拒否児童生徒を抱える小・中学校を訪問し、登校拒否児童生徒の実態をふまえ、指導の在り方や具体的な対応の在り方等について協議し、再登校を目指して支援を行う。

相談員は学校訪問のほかにも、登校拒否児童生徒や保護者等との面接相談や家庭訪問も行う。

 

また、訪問指導を希望する学校では、登校拒否児童生徒一人一人の実態をとらえ、それを資料として相談員に提供し、校長、担任教師や養護教諭等とともに協議を通して、具体的な対応の在り方について助言指導を受けるようにしてほしい。

早期発見、早期対応を適切に行えるよう、各小中学校では相談員を積極的に活用し、登校拒否問題に対する理解を一層図るとともに、具体的な対応の在り方を探り、登校拒否児童生徒一人一人に応じた指導支援に努め、再登校を目指してその子に応じた指導を粘り強く展開してほしいものである。

 

平成7年度相談者別人数

相談者 相談人数

教師 57名

両親 534名

小児童 80名

中生徒 84名

高生徒 10名

その他 54名

合計 819名

 

(2) 学校アドバイザーの配置

いじめ問題への対応事業としては、学校アドバイザー(以下アドバイザー)を各教育事務所に配置したことである。アドバイザーは臨床心理士または臨床心理に精通した方(教育相談等の経験者)と教員OBの二名を県教育委員会が委嘱した。

○勤務は月十六日以内、十二時から十八時まで

児童生徒や保護者及び教職員等から相談に応じる。基本的には電話による相談であるが、内容や依頼によっては、直接学校等を訪問し、適切な指導支援を行う。

電話については、いじめ電話として「ダイヤルSOS」が設けられている。今年度は、昨年度までの専用回線をさらに増やして、それを無料のフリーダイヤルとした。

 

平成7年度の「ダイヤルSOS」相談件数

項目 小学校 中学校 計

登校拒否 97 86 183

いじめ 94 82 176

学校生活不適応 44 8 52

学校への不満 30 21 51

学習の仕方させ方 15 11 26

友人関係 28 25 53

家庭内の問題 13 11 24

身体・精神不安 5 6 11

進路 0 15 15

その他 23 37 60

小・中合計 349 302 651

高等学校合計 113

その他 55

合計 819

 

 

 


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は情報提供者及び福島県教育委員会に帰属します。