教育福島0196号(1996年(H08)07月)-011page

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こと。

(5) 家庭や地域との連携を密にし、協力体制を確立すること。

 

4 教育目標具現化のための評価

 

児童生徒の目標達成状況を絶えず評価し、その評価を指導法等の改善に生かすため、次の点を大切にしたい。

(1) 教師、児童生徒の反省や評価を学校経営に生かす配慮をする。

(2) 定期的に評価を行い、成果や課題を全職員で確認し、指導に生かすこと。

(3) 学年末の評価の際は、評価の対象、観点、基準、方法等を明確にし、次年度に生かすこと。

(4) 保護者や地域の要望を可能な限り生かすよう努力すること。

 

二 特色ある教育課程の編成と実施

 

1 特色ある教育課程とは

 

特色ある教育課程とは、「自校の教育課題の解決を目指す創造的な学校経営の教育計画」を言う。「特色ある」とは、自校の教育課題解決の営みの中に表れるものであり、他校にない特別な教育計画だけを意味するものではない。

その学校の児童生徒のために、その学校ならではの教育力が発揮できるよう組織した教育計画を指すものである。

 

2 特色ある教育課程の編成

 

各学校において、特色ある教育課程を編成していくには、第一に新しい学力観に立つ教育と児童生徒のよさを生かす教育の考え方を基本にするとともに、県教育委員会や市町村教育委員会の重点施策を十分に考慮し、児童生徒の実態や地域社会の願い等を的確に把握、分析して学校の課題を明確にする必要がある。

次に、その課題の解決を目指した指導計画を作成することになるが、その際に留意すべき点は次の通りである。

(1) 自校の教育課題について全職員が共通理解し、解決の方針、見通し、手立てなどを明確にする。

(2) 自校の指導計画を作成する。

ア 児童生徒の実態を的確に把握する。

イ 新しい学力観に立ち、児童生徒のよさや可能性を生かしながら、思考力、判断力、表現力等の資質や能力の育成を図る指導計画を作成する。

ウ 広域カリキュラムを参考とする場合には、校長がリーダーシップをとり、自校化促進の体制を整える。

(3) 地域素材の教材化に努め、地域の特性を生かすよう配慮する。

ア 地域の施設、文化財、自然環境などについて調査し、自校の教育活動に生かす。

イ 地域の人々の考えや願いを自校の教育活動に適切に反映させる。

 

3 特色ある教育課程の実施

 

教育課程の実施に当たっては、それぞれの教育活動を児童生徒一人一人がそのよさや可能性を生かしながら、豊かに生きていくために必要な資質や能力を身に付けていくプロセスととらえることが大切である。

各学校では、きめ細かな創意・工夫が必要となるが、次のような観点からその対応を検討することが必要である。

(1) 新しい学力観に立った学習指導を推進するための工夫

自ら学ぶ意欲や思考力、判断力、表現力などの資質や能力を育成していくには、各学校の教職員の特性や指導力、自然環境、地域の素材などを総合的に生かし、学習を展開していくことが大切である。

ア 児童生徒の主体的な学習活動の場をできるだけ多く設定する。

イ 学習過程において問題解決的な学習や体験的な活動を重視する。

ウ 児童生徒の側に立って各教科等間の関連を図った学習指導を展開する。

(2) 学習指導の弾力的な展開

児童生徒が自分のよさを発揮し、自ら進んで学ぶ学習活動を実現するには、従来の指導法にとらわれることなく、学習過程や学習形態、一人一人の学習特性などに柔軟に対応していくことが大事である。

ア より効果的な学習の方向や方法に修正していくために複数の展開案を準備しておく。

イ 学習活動を充実させるための学習形態や学習の場などを各学校の実情に応じて検討しておく。

ウ 体験的活動にじっくり取り組ませたり、反対に、学習意欲を損なわないよう学習作業の手順等を短時間で指導したりするなど指導目標に応じて学習時間等を弾力的に設定する。

(3) 児童生徒が自ら考え、判断し、表現するためには、自校や地域の特色が反映された魅力的な教材を選択したり、開発したりする必要がある。

ア 複数の教材や適時性などを考慮した地域素材を準備する。

イ 教科書には標準的な教材が準備されているが、それを中心としながら児童生徒一人一人に応じる弾力的な活用の仕方等を工夫する。

(4) 教職員や児童生徒のよさを生かす工夫

ア 諸教育活動の中で教職員と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を

 

 

 


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