教育福島0203号(1997年(H09)06月)-020page
ならない課題がありますが、平成十一年以降も、これらの諸課題を種々検討し、その解決の方向を探りながら、残された次の高校の共学化を逐次、進めていく予定です。
・福島高校 ・安積高校
・会津高校 ・磐城高校
・相馬高校(普通科)
・福島女子高校 ・安積女子高校
・会津女子高校 ・若松女子高校
・喜多方女子高校
・磐城女子高校 ・相馬女子高校
(5) 四十人学級の完全実施
四十人学級の編制については、大幅かつ長期的な生徒減少期を迎えるという実態、及び個に応じた多様な教育を行う観点から、平成五年度に会津地区の一部の学校・学科で実施して以来、「平成十年度を目安として四十人学級を実施する」という国の方針を踏まえ、地区や学科の実態を考慮しながら推進してきました。平成八年度入学生からは、県内すべての高校、すべての学科で実施しており、平成十年度に四十人学級を完全実施すれば、全学年で四十人学級が完成することになります。
教育内容の充実
(1) 選択制と多様な科目の開設
平成六年度から実施されている現行の学習指導要領では、生徒の特性・進路等に応じて適切な教育を行うため、多様な教科・科目を設け、生徒が自由に選択することができるよう配慮されています。
このため、各高校では生徒が主体的に科目を選択して学習を進めることができるよう教育課程の検討を進めています。県教育委員会では、地域や学校の特色を生かした新しい科目を、平成八年度に六十八科目、平成九年度には三十科目設置し、生徒の実態や興味・関心、進路希望等に応じて、各高校が様々な科目を開設することができるようにしました。
(2) 教育課程の弾力化
学習負担を少なくし、ゆとりをもって学校生活が送れるように、次のような様々な工夫と検討が進められています。
1) 卒業に必要な単位数を八十単位にする。
2) 一週あたりの授業時数は三十二単位時間に近付ける。
3) 英語検定や漢字能力検定等の技能審査に合格し、資格を取得した場合に、その成果を自校の関連の教科・科目の増加単位として認定する。
4) 他の高校の教科・科目を学習する機会を設け、その成果を自校の教科・科目の単位として認定できる制度、すなわち「学校間連携」を導入する。
高校入試と進路指導の改善
(1) 個性を生かす高校入試
県教育委員会では、生徒の多様な実態や高校教育の多様化に対応するため、生徒の個性を多面的にとらえたり、生徒の優れている点や長所を様々な角度から積極的に評価するなど、高校入学者選抜方法の改善を図ってきました。
具体的には次のとおりです。
1) 全校・全学科で面接を実施
2) 全校・全学科で推薦選抜を実施
3) 学校配点、傾斜配点の活用
4) 調査書における「特別活動等」の重視
また、各学校においては、特色ある学校づくりを進めるとともに、学校や学科の特色に応じた入学者選抜方法を工夫しています。たとえば、「自己申告による三教科の傾斜配点の実施」や「推薦入試における個性表現(パーソナル・プレゼンテーション)の実施」などです。
(2) 将来の生き方を考える進路指導
高校を選択する場合には、将来の夢や進路のことを考えて主体的に学校を選ぶ必要があります。そのために中学校では、生徒が「進学可能な高校」の選択ではなく「進学したい高校」の選択ができるよう、生徒の将来の生き方を考えて進路指導を行うことが求められています。
具体的には次のような点が大切です。
1) 将来の希望や夢を持たせる。
2) 自分の適性を知り、目的をもって学校を選択させる。
3) 志望の実現に向けて努力する過程を大事にさせる。
おわりに
昨年度、高等学校教育課内に県立学校改革推進班を設け、総合学科高校、全日制単位制高校などの特色ある新しいタイプの学校づくりや魅力ある学科の設置、また、男女共学化の推進など、県学校教育審議会答申の具現化を図ってきました。
さらに、これからも、生徒減少期における高等学校の適正規模、適正配置を含めた、今後の高等学校の在り方を組織的に検討しながら、高校教育改革を一層推進していくことになります。現在、これらの改革を推進するための「県立学校改革計画」を策定中であり、その「第一次まとめ」を公表する予定で作業を進めているところです。