教育福島0204号(1997年(H09)07月)-012page

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1) 複数の教材や児童生徒の日常生活などを考慮した地域素材を開発する。

2) 児童生徒一人一人に応じる補助的な教材の開発・作成に努め、効果的な活用を図る。

(4) 教職員や児童生徒のよさを生かす工夫

1) 学校教育活動全体をとおして教職員と児童生徒、児童生徒相互の人間関係を豊かにし、お互いのよさに共感し合うことができるよう配慮する。

2) 教職員のよさを積極的に生かすことによって、児童生徒のよさを高め、豊かにする観点に立って学習活動を計画する。

○T・Tの導入

○養護教諭や学校栄養職員などとの連携

3) 異年齢の児童生徒や他の学校の児童生徒とのかかわりを重視した場の設定に配慮する。

(5) 家庭や地域社会のよさを生かす工夫

特色ある教育課程を実施していくには、学校、家庭及び地域社会の教育力を相互に高め合い、活用し合うために次のような取り組みも大切となる。

1) 学校の実情に応じて、地域の自然や社会環境などの素材を教材化する。

2) 地域の文化施設や文化財、自然環境などを積極的に利用する。

3) 地域社会の人々に教育活動が理解されるよう工夫し、協力を要請する。

 

三 基礎学力の向上を図る学習指導

−−新しい学力観に立って−−

 

1 新しい学力観に立つ学力

 

新しい学力観に立つ学力は、児童生徒の学習への興味・関心、意欲、態度などの「学ぼうとする力」、思考力、判断力、表現力などの「学ぶ力」、学習の成果として身に付ける知識・理解、技能などの「学んで得た力」の三つの力としてとらえることができる。

これからの学習指導においては、これら三つの力を認知面と情意面の調和を図りながら総合的に高めることが求められている。

これを実現するには、児童生徒が意欲をもって学習に取り組み、主体的に考えたり、判断したり、表現したりする活動を通して、知識・理解、技能を確かに身に付けていけるような学習指導が必要である。

 

2 基礎学力のとらえ方

 

各教科の学習内容は、教科独自の知識や技能の体系と構造をもっており、それらを踏まえた適切な指導によって、児童生徒は新しい学習対象への興味・関心・意欲を高めたり、思考力、判断力、表現力を発揮したりして、新しい学習内容を豊かに学びとっていくことができる。

したがって、学習指導の各段階において、その後の学習を進めていく上で不可欠な知識・理解、技能を精選するとともに、各教科の系統性や発展性を明確にし、確実に身に付けさせていくことが大切になる。

これらのことから、本県では基礎学力を次のようにとらえ、その育成に努めているところである。

 

「基礎学力」は、「児童生徒が獲得した基礎的・基本的な知識・理解や技能であり、それらをその後の学習のなかで活用し得る力」

 

3 学力向上プランの作成・改善

 

基礎学力の向上を図るには、情意面と認知面の相互作用を重視した学習指導が不可欠であることを踏まえ児童生徒が思考力、判断力、表現力を駆使する学習過程を通して知識・理解、技能を獲得できるよう、指導法の改善・工夫に努めていかなければならない。

そのためには、これまで各学校で行ってきた研究の成果はもちろんのこと、各教師によって個々に行われてきた様々な工夫も積極的に取り上げ、学校組織を上げて一丸となって取り組むことが重要である。

具体的には、学校が組織として、あるいは各教師が個人的に行っている教育活動と児童生徒一人一人の日常の学習状況を基礎学力向上の視点からとらえ直し、改善すべき点を明らかにすることが必要である。

次に、全職員が改善に向けて共通実践するために、どのような点に留意し、どのような活動を行うのかを児童生徒の学年段階に応じて具体的に示した自校プランを作成し、適宜改善していくことが大切である。

自校プランの作成等については、県教育委員会発行「基礎学力向上の手引」第3集に示してあるので参考にしていただきたい。

 

4 単元(題材)の設計

 

新しい学力観に立ち、問題解決的な学習や体験的な活動を取り入れた児童生徒主体の学習活動を展開し、基礎学力の向上を図るには、長期間を見通して指導に当たることが大切

 

 

 


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