教育福島0210号(1998年(H10)04月)-004page
文化の窓
県立博物館春の企画展戦国の城
−天守閣への道−
今回の企画展のなかで、伊達輝宗という武将の自筆の日記を展示しています。輝宗は、有名な独眼龍政宗の父にあたる人物で、米沢城に住んでいました。
毎日の日記は、その日の天候からはじまり、城の内外でのさまざまなできごとをじつにリアルに記しており、たいへん興味深いものです。
ある年の4月18日の日記には、晩から城内で「たいさんほく」の花見をした、と書かれています。「たいさんほく」は、おそらく泰山木という木のことで、この木は初夏に白い大輪の花を咲かせます。その花を観ながら、若武者たちを集めて花の宴を催す。何とも風流な光景ではありませんか。戦国の城の情景は、血生臭い戦闘シーンで彩られるばかりではなっかったようです。
企画展では、城館跡から発掘された様々な生活の道具類を展示して、そうした戦国の城の暮らしをできるだけイメージしていただけるよう工夫しています。また、以下のような関連行事も実施します。
●記念講演会
「日本中世の庶民生活
講師:歴史研究者 網野喜彦先生
5月24日(日)13:00〜博物館講堂にて入場無料
●一般講座
「戦国の城武将の日記・手紙を読む(第2回)」
講師:学芸員 高橋 充
6月6日(日)13:30〜博物館講堂にて入場無料
伊達輝宗像(仙台美術館蔵)
「合戦」(いずれも「伊達輝宗日記」仙台市博物館蔵)
「信長」
会 期●4月18日(土)〜6月14日(日)休 館 日●毎週月曜日