教育福島0214号(1998年(H10)07月)-042page

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県文化功労賞、教育・文化関係表彰者決まる

 

渡辺康夫氏 阿部隆一氏に文化功労賞

平成十年度の県文化功労賞受賞者に芸術部門(音楽領域)の渡部康夫氏と、教育部門(出版文化領域)の阿部隆一氏が決まりました。

県教育委員会は、九月十七日(木)に定例教育委員会の席で本年度の県文化功労者及び教育・文化関係表彰者を決定しました。これを受けて同日の十六時十五分から杉原陸夫教育長が記者会見を行い、文化功労賞受賞者二名、教育・文化関係功労者三十二名、教育・文化功績顕著な十二団体・施設及び永年勤続表彰者三百十名を決定しました。

本県の教育・文化の振興発展に貢献し、その功績が顕著であるとして表彰を受ける方々は別掲のとおりです。なお、表彰式は来る十一月三日(火)の文化の日に県文化センターにおいて挙行されます。

 

文化功労賞受賞者

 

福島県の文化の向上に著しい業績を残された個人に授与される福島県文化功労賞の受賞者として、渡部康夫氏(七十一歳・郡山市)、阿部隆一氏(六十六歳・会津若松市)が選ばれました。両氏の略歴と業績は下記に記したとおりです。

 

芸術部門(音楽)

 

芸術部門(音楽)

 

渡部康夫(わたなべやすお) さん

本籍地 福島県郡山市台新二丁目三六五番地

現住所 福島県郡山市台新二丁目一五号

生年月日 大正十五年十月六日

年齢 七十一歳

職業 自由業(合唱指揮)

 

【主な功績】

1 県内の中学・高校・大学に長年にわたり勤務し、生徒・学生の音楽指導とともに、「お母さんコーラス」等県民の合唱指導にも情熱を注いだ。特に、安積女子高等学校合唱団を指導育成し、全国大会における連続金賞の記録とその基盤を築いた。また、県合唱連盟の役員として、県全体の合唱音楽の発展向上と後継者の育成に貢献した。

また、福島県合唱連盟名誉理事として、各種合唱コンクール、講習会等をとおして優秀な人材及び団体を輩出し、全国に合唱王国「ふくしま」と言われる原動力となっている。

2 全国規模の大会等における業績

・全日本合唱コンクール全国大会において、昭和四十九年の第二十七回大会から昭和六十一年の第三十九回大会まで安積女子高校合唱団を率いて十一回参加。金賞八回(うち第三十五回から三十九回大会まで連続)、銀賞二回、銅賞一回を受賞した。併せて文部大臣賞も六回受賞した。

平成元年の第四十三回大会と第四十二回大会には、郡山市民合唱団を率いて参加し、二大会とも銅賞を受賞した。

・この他、NHK学校音楽コンクール全国大会(高等学校の部)、第十六回ウィーン青少年音楽祭、平成七年の第十八回おかあさんコーラス全国大会等においても優秀な成績を収めた。

・昭和六十一年の千葉市における全日本音楽研究会高校部全国大会での公開レッスンを初め、全国各地での講習会・発表会での指導助言にあたっている。

・中学校、高校、市民合唱団等において指導し、優秀な成績を収めるとともに、おかあさんコーラス大会や各種大会で審査員や全国大会推薦委員を務めた。

3 著書・論文等

「愛と栄光のハーモニー」を昭和六十三年に出版したのを初め、音楽指導に関する著書を五冊出版している。

 

教育部門(出版文化)

 

教育部門(出版文化)

 

阿部隆一(あべりゅういち) さん

本籍地 福島県会津若松市南栄町一丁目七三番地

現住所 福島県会津若松市東栄町六番七号

生年月日 昭和六年二月一日

年齢 六十六歳

職業 印刷・出版業

 

【主な功績】

1 特に会津の歴史について深い関心を寄せ、歴史春秋出版株式会社を創設し、多くの地元郷土史家が調査研究した文献の出版に献身的に協力し、出版を通して本県文化の向上に努めた。

また、会津史学会副会長として、歴史に埋もれていた会津の歴史を発掘して広報するなど、文化の高揚に努めた。

2 昭和三十七年から昭和四十四年に会津若松市職員として市史編纂を任され、この事業に参画した。資料収集に努める中で、会津の歴史に深い関心を寄せ、昭和四十三年に史学一般の調査研究を通じて、地域文化の向上に寄与することを目的として「会津史学会」の創設に参画、理事や副会長を歴任し、現在も顧問として活躍している。

特に、「会津の峠」「会津の堰」「会津の宿屋」「会津の街道」などの編集に助言・指導を行い、地元郷土史家の育成に大きく貢献した。

3 昭和四十四年に会津若松市役所を退職後、印刷業を通し、本県にかかわる歴史・民俗・自然・文化等多方面の印刷物を編集・発行し、広く文化の向上に貢献した。

特に、歴史書では、全国の研究者から史料価値として一級の評価を得ている「会津藩家世実紀十五巻」の編纂に大きく貢献した。

さらに、郷土の豊かな自然をテーマにした山や花、動物など自然保護を主眼とした書籍の出版にも貢献している。

 

 

 


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