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いおしゃべりを楽しんでいた女の子の一人が話しかけてきた。
「なあに?」
私が聞き返すと、彼女は私の顔をじっと見つめ、
「Y君てね、いつもみんなのことたたいたり、大きな声を出して騒いだりするでしょ。でもね、いいことしてくれるんだよ」
と言うのである。Y君は、自分の気持ちをうまくコントロールできず、思うようにならないことがあると、周囲に対し不満をストレートにぶつけてしまう子だった。そのためクラスの中では、友達とのトラブルが多かった。時には、彼の動揺する気持ちを私自身がどのように静めたらよいか戸惑い、ひたすら彼の手をぎゅっと握りしめ教壇に立つこともあった。
どうしたらこの子は集団の中でスムーズに生活できるようになるのだろう。早く他の子供たちと同じようにできるようにしなくてはと、あせりにも似た思いで毎日を過ごしていた。二学期も終わりに近づいた頃である。
「あのね、私が鉛筆を落としたらすぐに拾ってくれたの。それにね、落とし物を見つけるとちゃんと届けてくれるんだよ」
と瞳を輝かせ話すのだった。その言葉に私は、はっとさせられた。そして、急に不安になってきた。Y君に接する時の今までの私の姿は、クラスの子供たちにどのように映っていただろう。困ったなあという気持ちを顔いっぱいに表している自分の姿が浮かんできたからである。私が気がつかなかったY君の姿、いや、見ようとしなかった私の姿を彼女はしっかりと見つけ、彼のいいところとして認めていた。
多くの先生方が"子供から学ぶ"と言われているが、私もその中の一人。わずか七歳の彼女の語った「○○君のいいところ」その一言が、教師としての私の
方、考え方の狭さ、余裕のなさに改めて気づかせてくれたのだった。
それから二年が過ぎた。三年生になったY君。体育の時間、初めて馬とびができた。そのうれしさを身体中で表していた。そして彼の周りには、それを自分のことのように喜び合う仲間の姿があった。
(中島村立滑津小学校教諭)
県立図書館
開館時間延長のお知らせ
県立図書館では、平成十一年四月から「情報ネットワークシステム」が本稼働し、コンピュータによるサービスが始まりました。これによって、図書の検索が館内のパソコン端末から出来るようになったり、図書館のホームページを利用したり出来るようになりました。
加えて、六月一日からは開館時間が次のように延長されます。
【火〜金】
午前九時三〇分〜午後五時三〇分
↓(延長)
午後七時
(土・日については、今までどおり午前九時三〇分から午後五時三〇分まで)
これまでも、「図書館がもっと遅くまで開いていれば利用できるのに」といった利用者の声が寄せられていました。
昨年度の県立図書館の利用者数を職業別にみてみると、次のとおりです。
● 勤め人一〇、四五〇人
● 自営業一、二三〇人
● 主婦二、七六三人
● 無職三、八五一人
● 学生四、九八四人
● 児童一一、七一九人
(平成十年四月〜十二月)
このように、児童を除けば、お勤めをしている方の利用が圧倒的に多くなっています。
開館時間が延びることで、今まで仕事があって平日に来ることが出来ないでいた人にも気軽に利用してもらいたいと思います。
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