教育福島0222号(1999年(H11)10月号)-032/52page
【体力】男子では立位体前屈、女子では踏み台昇降運動が下回っている他は、全て上回っている。
【運動能力】
男子は持久走以外全て上回っているが、女子はほぼ同じか下回っている。
例年、小学校・中学校・高等学校の協力を得て、児童生徒を対象に体力・運動能力調査を実施しておりますが、その結果は、全国的な傾向と同様に、本県でも体格の向上に比べ体力・運動能力の低下がみられます。また、本県では、体力診断テストは全国平均と比べると同じか上回っている状況にありますが、運動能力テストは下回っている状況にあります。このことから、本県の児童生徒は運動・スポーツ体験等が十分とはいえない現状にあり、いかに運動実践の日常化を図るかという課題が浮き彫りとなります。
図4-1 高等学校
図4-2 高等学校
体力づくりの進め方
児童生徒が、自発的・自主的に運動に取り組むためには現実の生活の中で実感を伴う必要感と期待感をもとに、体力づくりの知識と具体的な計画を立てる能力が必要となります。こうした能力を育成するための学校での取り組みについて触れてみます。
1 新しい学力観に立つ体育学習の推進教科における指導は、単に運動量を増やすためではなく、むしろ学校・家庭・地域社会全体を通じて主体的に様々な運動やスポーツ活動に参加していく態度を育成することに配慮して行うことが肝要となります。したがって、発達段階に応じて多様な運動に触れて、その楽しさや喜びを味わったり、自分に合った運動を選択するなどして、一人一人の能力・適性を伸ばすことに重点をおくことが大切になります。
2 「体操」の充実「体操」は、直接的に体力を高めることを目指して行われる運動であり、楽しく活動させ、その結果として体力を向上させようとするスポーツとは決定的な違いがあります。体操の指導にあたっては、知識・理論の再確認と発育発達段階に応じた運動の工夫や合理的な実践が求められます。
なお、「体操」領域については準備運動等で代替される学校がありますが、単元学習として進めることの他に体力の低下傾向という現状に即し、年間指導計画の中に重点単元として位置付けて実践する必要があります。
3 特色ある体力づくりの推進学習指導要領総則一の三において示してありますように児童・生徒会活動や学校行事など、学校教育活動全体を通じて各学校の実態にあった特色ある体力づくりの推進を図り、教育目標の達成に努めることが大切です。
また、各学校における体力の低下傾向の観点からも学校教育活動全体を通じた体育に関する指導について、評価を行い改善を図っていく必要があります。