教育年報1958年(S33)-025/83page
れぞれの地域で使用するに適した教科書を実際に選
択する観点から,選定採択の対象となるすべての教
科書について,綿密周到な共同の比較研究を行い,
その成果を教科書センターに備えつけるなどにより,
その地域における教科書の選定,採択に際し有益な
参考資料とするとともに,教科書の適正な採択の遂
行に資するものである。
b 研究の対象
本年度は各教科書センターにおいて行うこととし,
小中2種目の研究を原則としてお願いした。
センター名 研究種目 福島 小学校 算数 中学校 数学 保原 〃 国語 〃 国語 二本松 〃 理科 〃 理科 郡山 〃 社会 〃 社(甲) 須賀川 〃 音楽 〃 音楽 白河 〃 図工 〃 図工 石川 〃 算数 〃 数学 三春 〃 音楽 〃 音楽 田島 〃 図工 〃 図工 会津若松 〃 国語 〃 国語 喜多方 〃 理科 〃 理科 会津坂下 〃 社会 〃 社(乙) 平 中学校 英語 〃 職・家 富岡 小学校 社会 〃 社(丙) 相馬 〃 音楽 〃 音楽
c 研究の角度
教科書を各種観点ごとに内容を分析し,比較検討
するものであって,これで総合的に優劣を判定する
ものではない。
d 研究の進め方
研究参加者は,当該教科書センターを中心とする
出張所の指導にもとづき管内小・中学校教員が各種
目ごと5名とした。
この研究は常に研究参加者による綿密な共同研究
および討議により行われ,適宣種々の研究討議のた
めの会合をもつようにし,それが有機的に組立てら
れ,研究がまとめられるようにした。
e 研究実施の時期
各出張所の指導により,当該教科書センターごと
に定めたが,本年度4月はじめから7月末日までと
し,採択の資料として利用できるようにした。
f 研究結果の処理
研究結果は各種日ごとそれぞれ,4百字詰め原稿
用紙(50〜100)枚程度の報告書にまとめ,管内各
小中学校に配布するとともに,県教委に5部提出し,
そのうちより文部省へ各2部送付した,本年度は各
センター間の研究物の交換は行わなかった。
B 教科書センター臨時分館の設置について
a 設置の趣旨について
教科書見本の展示の機会を多くしくて教職員等の
教科書の研究を容易にするとともに,教科書の採択
の公正を確保するため,当分の間の措置として各教
科書センターに設けたものである。
b 設置の経過
(1)本年は6月11日から7月20日までとし,各教
科書センターごとに小・中・高教科書用として各
2〜3の学校を臨時分館設置校として依嘱し,本
年度は小学校35校,中学校34校,高等学校21校,
計90校にもうけられた。
(2)臨時分館には運営費等の支出はなかったが,
設置期間終了後,教科書見本は設置校の利用に供
した。
C 昭和33年度使用教科書の採択について
a 採択の方針
小・中学校用教科書の採択については「教科書採
択に関する協議会」(県教委より6名,各郡市教委
連絡協議会より6名)を設け,本年度採択について
の基本方針を決定した。
(1)各郡市教委連絡協議会は,教科書選定協議会
を設け地域の実情に即した教科書を各教科につい
て一種類ないし数種類を選定しこれを推せんする。
(2)上記より選定推せんされた教科書は,各郡市
教委連絡協議会の名において展示会終了後に各学
校に通知する。
(3)各学校長は,推せん教科書ならびに後記教科
書選定基準を参考として最適のものを選び市町村
教育委員会に採択の申請をする。
(4)市町村教育委員会は各学校長の申請に基き採
択を決定する。
(教科書選定基準は略す)
b 教科書展示会
展示会は7月1〜10日までの10日間,県下15カ所
において開催された。また臨時分館も先にのべたよ
うに90カ所開設されてあるので,教科書の採択研究
には貢けんすることが多かった。
展示場は原則として教科書センターをあてること
にしているが,研究のための参会者,会場の都合で
センター所在地の適当な場所を会場にあてた。
会期中の利用者は教職員その他を含めて約5,500
名あった。
c 教科書推選採択状況
採択方針(1)により推選された教科について各学校
は地域の実状等を考慮にいれ7月20日まで市町村教
育委員会に提出し採択を決定する。次の表は各出張
所単位に集計したものである。