教育年報1968年(S43)-007/197page

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   第4節 福島県長期総合教育

       計画

 1 地域教育計画策定について

 かって経験したことのない新しい社会への転換過程にある

わが国において、都市化・産業化の波及は、本県社会の姿を

も変化させつつある。

 その変化に伴い、教育においても新しい社会の要請する、

まったく新しい需要が提起されている。

 変動する社会を見通して、これに適応する教育の計画的実

施の必要性は、いよいよ高まってきているといえよう。

 このような観点から、41年4月には福島県長期総合教育計

画を策定し、これを短期的に実施していくために、42年10月

には、同実施計画を策定してきた。

 これら長期総合教育計画に盛りこまれた内容を地域に具体

化し、さらに当初予想されたよりも、テンポの早い地域の変

貌に対処していくとともに、当初計画を補完修正する意味を

も含め、地域教育計画策定作業に入った。

 年度はじめにおいては、いわゆる地域を1教育事務所管内

と考え、県内を16の地域に分けて作業に入った。

 しかし、44年度より実施される教育事務所の統廃合に伴い

組織機構の改革に適合させるため、地域をさらに広域化し、

新教育事務所管内を1地域とし、県内を7地域に分けてとら

え、資料再編成の作業に入った。

 上記のような事情により、作業は年度当初の目算よりおく

れ、本年度は後述のごとく変動する地域社会そのものの分析

作業に入り、それに対処すべき教育的需要をとりまとめる段

階にとどまった。

 従って、残された作業―「地域の教育的需要をみたす教

育的課題解決の方向、目標」の設定―は44年度継続して行

なわれることとなる。

 以下、ややくわしく地域教育計画の基本的な考え方につい

てまとめておく。

(1) 地域教育計画の基本的な考え方

 1) 地域教育計画の必要性

  ア. 教育がひとつの社会的機能であるかぎり、各地域の

   それぞれの社会的条件に応じて、教育的課題およびそ

   の解決への方向における重点は異るわけであり、当該

   地域発展の未来像に適合した教育が要請される。

    また、それに伴う教育行政は、各地域の行政対象の

   実態に即しながら運営されねばならず、地域社会の近

   代化や変ぼうによる教育のひずみ是正に対策も、強力に

   推進される必要がある。

  イ. 交通・通信の発達や都市化のいっそうの進展に伴っ

   て、地域社会は広域にわたる傾向をたどるため、教育

   においても広域的な課題のとらえ方が要請され、広域

   の地域社会の共通課題を認識することが必要である。

   とくに、近時、各市町村における教育計画策定の動き

   もあり、それら計画の共通の指針たり得るものが必要

   である。

  ウ. 教育行政上、地域の共通的課題解決のため、県と市

   町村当局との共通理解や協力体制の確立が必要である。

  エ. 県教育庁の各教育事務所における地域教育行政の態

   勢については、計画的首尾一貫性をもって、推進して

   いくための指針とする計画が必要である。

  オ. 福島県長期総合教育計画の趣旨の具体化を図るため

   には、社会の発展、変ぼうに伴って、基本計画を修正

   するという立場に立ちながら、地域計画を策定する必

   要がある。

 2) 地域教育計画の性格

  ア. この計画は、県の教育行政の指標・指針であるとと

   もに、その地域内市町村に期待するものをも含むもの

   であり、各市町村の指標ともなり得るものとして設定

   しょうとするものである。

  イ. この計画は、長期総合教育計画基本計画の趣旨を、

   地域に具体化するものとして設定しようとするもので

   ある。

  ウ. この計画は、教育行政計画として県が実現手段を有

   するもののみならず、市町村が実現手段を有するもの

   も含めるものである。

  エ. この計画は、教育計画の特質からして、施設計画の

   みならず、非施設計画をも含めて設定しようとするも

   のである。

 3) 地域区分

   この計画でいう地域の区分は、県内各地域にある7教

  育事務所管内を、それぞれ1地域として区分する。

 4) 計画の期間

   この計画の期間は基本計画と符合させ、昭和50年度ま

  でとする。

(2) 計画策定の方法主・手順

  計画策定の方法・手順の概略を図示すると以下のごとく

 なる。

  a 社会発展への見    b 教育の現況分析    c 改善へ

   通しと教育的需  →  と地域的教育課  →  の方向

   要           題の設定

    →  b 目標(重点化・数量化)

  上図でaの部分については、本年度に分析作業を行ない

 印刷に付した。b・cおよびdについては44年度継続作業

 となる。

(3) 各教育事務所の企画事務担当者会議の開催

  16教育事務所に、企画事務担当者の決定を依頼し、下記

 の日程で、県下各ブロック別に会議を開き、計画の趣旨を

 説明し、地域の実情、問題点等につき意見を聴取した。

  期日および場所
日時 ブロック別 場所
6月6日(木) 県北(信夫、伊達、安達) 信夫教育事務所
6月7日(金) 県中(郡山、田村、岩瀬、石川) 郡山教育事務所
  浜通り(いわき、相馬、双葉) 双葉教育事務所
  会津(北会、南会、耶麻、両沼) 北会津教育事務所
6月8日(土) 県南(西白、東白) 西白河教育事務所

 2 後期中等教育地域別高等学校拡充整備計

  画基礎資料の作成について

 長期総合教育の実施計画具体化のため、後期中等教育部門

においては、さきに後期中等教育審議会から答申のあった



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