教育年報1968年(S43)-083/197page

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      福島県立二本松工業高校教諭  丹治元安

(7) 生徒指導委員研究協議会

 〇期  日 昭和43年5月2日(木)

 〇会  場 福大教育学部附属小学校

 〇参加者  生徒指導主事(高校5名)

       生徒指導委員(小・中9名)

 〇協議内容 ・県下生徒指導の問題点

       ・本年度生徒指導の重点

       ・本年度生徒指導の行事予定等

   第6節 科学技術教育

近科代科学技術の進展に即応するため、科学技術教育の充実

強化は必須のことであり、そのため、国および県の施策とし

て進められてきたし、また今後も力点がおかれるであろうと

考えられるのは、次の3項である。

(1) 教育内容の改善

  現行の学習指導要領は、小学校が昭和36年、中学校が37

 年、高等学校が38年から実施されたものである。以後それ

 ぞれ数年を経て、現在その改訂の仕事が具体的に進められ

 ているが、小学校については新指導要領が、中学校につい

 てはその案がすでに発表され、高校の案が発表されるのも

 間近い。

  教育内容の大わくや方針について教育行政機関が、その

 細部や実践面では各学校の教師が、たえず時代の進展や児

 童の実態に即して検討、改善を図るべきであると考える。

  なお、高等学校普通教育の多様化の線に沿って42年10月

 に理科教育ならびに産業教育審議会から「理数科設置に関

 する答申」が文部大臣になされ、本県においても43年度か

 ら安積高校に、44年度から会津高校ならびに相馬高校にそ

 れぞれ1学級の理数科が設置され、今後の発展充実が望ま

 れている。

(2) 教職員の資質の向上

  昭和33年から理科実験講座、38年から理科教育講座、43

 年から理科教育現代化講座が、いずれも5ヶ年計画で実施

 されたのをはじめ、数多くの科学技術教育関係の現職教育

 が実施されてきている。

  40年夏完成した「福島県理科教育センター」は、継続的

 な研修計画のもとに、累積的な向上を図る恒久的研修機関

 として、その機能を発揮している。(別章参照)

  その他文部省との共催、または県主催の講習会や研究

 会が数多く開かれたり、産業教育関係では、内地留学生を

 派遣して関係教職員の資質の向上に努めたりしている。

(3) 施設・設備の充実

  理科教育振興法ならびに産業教育振興法による補助がそ

 の一つの具体策であり、多額の国費や県費が各学校の関係

 施設・設備費として注入され、漸次その充実をみているが

 その状況は後記のとおりである。

 以上3項に関連するもののうち、産業教育関係については

産業教育の節で述べられるので、この節では、理科教育と技

術・家庭科教育に関する事項を述べることにする。

 1 理数科の設置

 43年度から安積高等学校に設置され、44年度から会津高等

学校、相馬高等学校に新設されることになった理数科の概要

は、次のとおりである。

(1) 理数科設置の趣旨とその目標等

 1) 高等掌校設置基準による「専門教育を主とする学科と

  し、理科・数学に興味をもち、より深く学習することを

  希望する生徒に対して、事象を科学的に探究し、処理す

  る能力を、より深く身につけさせることを目的としている。

 2) 理科・数学に重点をおいた教育を行なうが、一部の特

  に優秀な生徒に対して、大学教育の程度に及ぶような内

  容の教育を行なうものではない。

 3) 現行学習指導要領に示される事項の範囲をあまりこえ

  ないようにし、基本的事項の学習に重点をおくようにす

  る。むしろ、実験・観察や演習などにじゅうぶんな時間

  をかけ、科学的な思考過程や実験操作などの意味を全体

  的には握させる指導と、数学を構成していくときの中心

  となる考え方をいっそう身につけさせる指導とを徹底す

  るようにする。

 4) 普通教育として行なわれる国語・社会および外国語な

  どを軽視するものではなく、おおむねB類型によって履

  習させるようにする。

(2) 設置学校および学級数・定員

 1) 県立安積高等学校   1学級   45名

 2) 県立会津高等学校    〃    〃

 3) 県立相馬高等学校    〃    〃

(3) 入学者選抜について

 1) 学力検査その他すべて、「福島県公立高等学校入学者

  選抜実施要綱」によるものとし、他学科と同様に実施する。

 2) 専門教育を主とする学科であるため、全県一区とし、

  学区制はない。

 3) 普通科と理数科を併置する高等学校の理数科を志願す

  るものについては、当該高等学校の通学区域、または隣

  接する通学区域から出願する者に限り、当該高等学校の

  普通科を第二志望とすることを認める。(3)は44年度改訂)

(4) 今後の問題点

  まず考えられることは、学習指導のあり方である。理数

 科設置の趣旨が、理科・数学教育の現代化の実践をめざし

 ていることは明らかであるが、その具体化については今後

 じゅうぶん研究・検討されなければならない。単位数の

 増が、単に内容の高度化や受験指導に向けられたら理数科

 の正常な発展は望めないと考える。

  そのほか、施設・設備の問題、進路指導、生徒指導(同

 一校内の普通科との関係)の問題などが、関係者に与えら

 れた重大な課題であると考える。

 理科教育現代化講座

(1) 目 的

  県内の小・中学校理科担当教員に対し、理科教育現代化

 の考え方を理解させ、それに即した指導法を研修させるこ

 とを目的とする。

(2) 主 催

  文部省、福島県教育委員会

(3) 期 間

  小・中学校部会   7月29日〜8月 2日

  高等学校部会    8月20日〜8月24日

(4) 会場および担当教育事務所



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