教育年報1968年(S43)-179/197page
県立図書館
第1節 概 要
1 は じ め に
最近のマスコミの攻勢、なかんづく図書、雑誌類はんらん
の時代にあって、地域住民と直接のつながりのある公共図書
館がもつ価値を再認識すべき時期にある。すなわち、これら
マスコミによる情報を適確にとらえ、一方交通にならないよ
う公共図書館という一つの場を通し、地域住民がマスコミに
よるぼう大な知識を吸収消化できる各種資料を提供しうるよ
うな組織なり活動をもつことが、今後一層図書館の使命とし
て重要なものになりつつあり、またこれらの事実をふまえて
体質改善をはかっていく必要がある。
昭和43年度の本館の運営や活動面においても、これらの問
題をじゅう分意識して重要施策として、「公開図書室の拡充」
「一日図書館の実施」等を打ち出し、着々その成果をあげて
きており、この年間の業務の主なものをあげると次のとおり
である。
2 福島県立図書館協議会の開催
(1) 委員氏名(任期 昭42.3.5〜44.3.4)
猪俣シズユ 福島県婦人団体連合会副会長
国分伝三 福島県小・中学校PTA連絡協議会副会長
三瓶正弘 福島県議会厚生文教委員長
三本杉国雄 福島県立福島高等学校長
塩川朝夫 福島民報社常務取締役編集局主幹
白岩和夫 福島県立小野高等学校長
新村邦吉 福島市立西信中学校教諭
平井博 福島大学教育学部教授
松井司観 福島県公民館連絡協議会副会長
渡辺久 福島県社会教育委員
(2) 開催状況
第1回
日 時 昭和43年7月19日
場 所 県立図書館
出席委員 7 名
議 題
1) 移動図書館車「あづま」号の更新について
2) 図書館業務報告について
3) そ の 他
第2回
日 時 昭和43年10月28日
場 所 県立図書館
出席委員 7 名
議 題
1) 昭和44年度県立図書館関係当初予算編成上の重点
目標等について
2) そ の 他
第3回
日 時 昭和44年2月20日
場 所 県立図書館
出席委員 10名
議 題
1) 昭和44年度県立図書館関係当初予算状況について
2) そ の 他
3 第3回北日本図書館長会議の開催
(1) 主 催 北日本図書館連盟
福島県立図書館
福島県公共図書館協会
(2) 期 日 昭和43年7月26日・27日の2日間
(3) 会 場 福島市飯坂
(4) 協議題
1) 郷土資料の収集について(青森県立図書館提出)
2) 図書館資料の複写サービスについて
(青森県立図書館提出)
3) 公共図書館と学校図書館との連携をどのように深めて
いくか (宮城県図書館提出)
4) 図書館専門職員の身分確立の問題点は何か
(岩手県立図書館提出)
5) 小規模図書館の充実のための国庫補助の道を拡充させ
るよう要望するの件について (新庄市立図書館提出)
(5) 参集者 県外北海道 3名
青森 1名
岩手 5名
秋田 7名
山形 9名
宮城 3名
県内 7名
計 35名
第2節 整理事務
1 図書館資料の収集
資料の収集にあたっては、前年度にひきつづき、各部門の
参考図書、学術書などの基本図書を重点的に収集することに
努めたが、他方、館内利用における利用度の高い教養書、実
用書、娯楽書等が手薄となった感はまぬがれず、また、自然
科学、工学、産業等の自然科学系統が人文科学系統に比して
蔵書構成の面で、均衡を失しているきらいも見受けられると
ころがら、調整の必要があると考えられた。しかし、予算上
の問題もあって、一挙に整備することは不可能であるので、
差しあたって本年度は、自然科学部門について、充実整備を
行なうこととし、専門家による蔵書診断をお願いしながら、
蔵書構成の適正化をすすめた。
また、県関係出版物の完全収集と県内出版物の積極的な収