教育年報1969年(S44)-043/241page

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   第3節 奨 学 育 英

 1 福島県奨学資金貸与制度

 この制度は、福島県出身の高等学校、高等専門学校の生徒

または大学の学生でありながら経済的理由により修学困難と

認められる者に対して奨学資金を貸与し、もって教育の機会

均等をはかり、健全な社会の発展に貢献することを目的とし

て昭和27年に発足したものであり、その実施状況は次のとお

りである。

(1) 出願資格

 1) 高等学校(福島県内に所在するものに限る。)、高等専

  門学校又は大学に在学し、品行が正しく学術にすぐれ身

  体が強健であること。

 2) ア.  高等学校又は高等専門学校に在学している者にあ

    っては、福島県内に引続き6ヵ月以上住所を有する

    こと。

   イ.  大学に在学している者は、下記いずれかに該当し、

    大学に入学するまで又は大学に入学の目的をもって

    住所を移転するまで、福島県内に引き続き6ヵ月以

    上住所を有していたものであること。

    〇 福島県内に所在する高等学校を卒業した者。

    〇 大学入学資格検定規定 (昭和26年文部省令第13号)

     による大学入学資格検定に合格した者で、合格当

     時福島県内に住所を有していた者。

 3) 経済的理由により修学が困難であると認められるもの

  であること。

 4) 学力、収入状態が推せん基準に合致するものであること。

  (重複採用を避けるため、日本育英会が募集している奨

  学生との併願は認めない。)

(2) 奨学資金の貸与額

 1) 高等学校または高等専門学校の生徒

                    月額 2,500円

 2) 大学の学生         月額 5,000円

(3) 貸付期間

  奨学生の在学する学校の正規の修業期間

(4) 奨学資金の返還

  卒業の月の6ヵ月目から起算して7年以内に貸与を受けた

 奨学資金の全額を半年賦で返還する。なお、利子は無利子

 とする。

  また、貸与期間の満了、退学、奨学資金の借受け辞退、

 奨学資金貸与制度の廃止の場合も同様とする。

(5) 募    集

  毎年4月1日から30日までを募集期間とし、各高等学校、

 主要大学及び報道機関を通じて広報する。

(6) 昭和44年度貸付状況

区分 継続貸与 新規貸与 備考
応募者数 採用者数
   
高等学校 399 276 230 629  
大学 188 140 100 288  
587 416 330 917  

 2 日本育英会奨学制度

 本会は政府からの借入金を主体として、これに返還金、育

英寄付金等を加えて運営している国家的育英機関である。各

県の教育委員会内に支部があり、県内の中学校、高等学校を

対象に奨学生の採用、補導、奨学金の貸与、返還等の各事務

を行なっている。

(1) 奨  学  生

  奨学生は、高等学校、高校専門学校、大学、大学院およ

 び国立工業教員養成所に在学する生徒、学生その他表1に

 該当する者で、在学校の校長、学長から推せんされた者か

 ら採用する。

(2) 奨学生の採用

  表1のうち県支部が取り扱うのは高等学校の一般および

 特別貸与奨学生の在学者採用ならびに高等学校、高等専門

 学校、大学および教育特別貸与奨学生の予約採用である。

 1) 高等学校一般貸与奨学生

   高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ

  ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で、

  学校長から推せんされる者について、支部選考委員会を

  経て採用される。

   貸与月額1,500円で募集は4月と9月の年2回である。

 2) 高等学校特別貸与奨学生(在学者採用)

   高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともにすぐれ

  ながら、経済的理由によって修学困難と認められる者で、

  学校長から推せんされる者について、支部選考委員会を

  経て採用される。

   貸与月額3,000円、募集は年1回で4月上旬。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額(1,500円)相当額

  を一定期間内に返還すれば残額は返還免除となる特典が

  ある。

 3) 高等学校・高等専門学校特別貸与(予約)奨学生

   中学校第3学年に在学する生徒で、学業、人物ともに

  優秀で進学希望を有するが、経済的理由により進学を断

  念ずることのないよう、あらかじめ奨学生の予約採用を

  中学在学中に行ない、高校・高専校進学後直ちに本採用

  となる。貸与月額は高等学校が3,000円、高等専門学校

  は自宅通学者は1〜3年が3,000円、4〜5年が5,000

  円。自宅外通学者は1〜3年が4,500円、4〜5年が

  8,000円である。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額(1,500〜3,000円)

  相当額を一定期間内に返還すれば残額は返還免除となる

  特典がある。

   採用は中学校長の推せんにより、面接のうえ支部選考

  委員会を経て予約採用される。募集は年1回で4月上旬。

 4) 大学特別貸与(予約)奨学生

   高等学校最高学年に在学、または卒業後1〜3年以内

  の者で、翌年度に大学進学を希望する者を対象とする。

   貸与月額は自宅通勤者が5,000円、私立の場合は、

  7,500円、自宅外通学者が8,000円、私立の場合は

  12,000円である。 返還免除の特典があり大学一般貸与

  奨学生の貸与月額(3,000円)相当額を返還すれば残額

  を免除し、または免除職(小・中・高校の教諭その他)


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