教育年報1974年(S49)-024/303page
4 父兄が支出した教員費調査
(1)調査の日的
この調査は、子供を公立の小学校、中学校及び全日制高
等学校に通学させている父兄が、私的にどれくらいの教育
費を支出しているかその実態を明らかにし、教育費に関す
る諸施策の基礎資料とすることを目的とする。
(2)調査の期間
昭和48年4月の入学・始業式の日から昭和49年3月の卒
業式の日までの1か年間。 (調査年度は、昭和48年度であ
るが、最終的集計は昭和49年度においてまとめた。)
(3)調査の対象
1) 調査対象校
ア 公立の小学校、中学校及び全日制高等学校からそれ
ぞれ10校を選定した。
イ 小学校、中学校の調査対象校は、文部省が昭和44年
度に実施した「学校環境と学校特性に関する調査」に
よる地域類型を考慮して選定した。
ウ 高等学校の調査対象校は、学科別を配慮して選定し
た。
2) 調査対象児童・生徒
対象児童・生徒の選定は、該当校1学年6名(男女数
はほぼ同数となるように配慮)を無作為抽出の方法によ
り選定した。ただし、複式学級の児童・生徒下宿及寄宿
舎から通学する児童・生徒並びに要保護・準要保護家庭
の児童・生徒は対象から除外した。その対象数は、表1
のとおりである。
表1 対象児童・生徒数
区分 対象学校数 対象児童・生徒数 性別 男 女 小学校 10 校 360 人 180 人 180 人 中学校 10 180 90 90 全日制高等学校 10 179 80 99
※(注)高等学校において、当初180名を対象としたが、
1名調査不能(中途において)となったので179名
となる。
(4)調査する経費の範囲
この調査では、父兄が児童・生徒に学校教育を受けさせ
るために支出した経費で、「学校教育費」と「家庭教育費」
に区分し調査した。その区分内容は、次のとおりである。
(5)調査結果の概要
この調査結果についてその概要を示すと次のとおりであ
る。ここで示す支出額は、すべて児童・生徒1人当たりの
額である。
1) 父兄支出の教育費総額
昭和48年度間において支出された「父兄支出の教育費」
は、平均支出額で小学校が56,407円、中学校77,138円、
それに高等学校で81,326円となっている。それを構成別
にみると表2に示すとおりである。
表2 構成別父兄支出教育費総額
区分 父兄支出の教育費 総額 (a+b) 学校教育費 (a) 家庭教育費 (b) 実額 比率 実額 比率 実額 比率 小学校 56,407 円 100 % 31,764 円 56.3 % 24,643 円 43.7 % 中学校 77,138 100 50,552 65.5 26,586 34.5 全日別 高等学校 81,326 100 74,119 91.1 7,207 8.9
2)父兄支出の学校教育費
父兄支出の教育費のなかの学校教育費について、これ
を「直接支出金」と「間接支出金」に区分し、その構成
別をみると表3のとおりである。
・直接支出金=教科書・学用品等の購入費、通学のため
の交通費等で直接支出した経費。
・間接支出金=学校等に納付するために支出された経費
で、例えば授業料、給食費、学級費、P
TA会費等
さらにこれを支出項目別に支出額を示したものが表4
であり、構成比で示したものが図1である。
表3 構成別父兄支出の学校教育費
区分 転入 転出 採用 離職 計 県内同種校から 県内異種校から 県外から 幼稚園 公立 67 1 2 78 77 29 254 私立 15 5 37 47 196 125 425 公立小学校 1,493 85 14 1,554 276 233 3655 公立中学校 947 60 3 1,080 221 116 2,427 高等学校 公立 全日制 551 24 5 561 109 74 1,324 定時制 45 1 一 64 29 8 147 通信制 4 一 一 5 1 一 10 私立 全日制 1 4 1 3 49 47 105 定時制 一 一 一 一 一 一 一 通信制 一 一 一 一 一 一 一 特殊学校 盲学校 6 4 一 7 2 1 20 聾学校 11 9 1 29 13 5 68 養護学校 4 38 一 19 16 9 86