教育年報1974年(S49)-293/303page
表7 特別貸出(昭和49.4〜50.3)
貸出し先 件数 冊数 県庁関係 37 89 その他の官庁 33 96 図書館・公民館 31 66 会社・事業所 29 73 報道関係 48 142 学校 34 81 一般利用者 32 46 計 244 593
表8 複写サービス処理件数(昭和49.4〜50.3)
資料 件数 枚数 新聞 391 4,351 雑誌 69 1,530 参考図書 646 5,913 郷土資料 601 16,201 一般図書 288 2,421 官報 15 498 特許公報 44 866 その他 3 37 計 2,057 31,817
第4節 館外奉仕
諸物価の高騰は図書の場合も例外ではなく、30〜60%の大
幅な値上がりを示したが、その影響を最少限に止めるため、
単価を極力抑えるとともに、値上がり前の旧定価のものを探
し出して購入するなどの対策を講じたので、かろうじて前年
度並の冊数を維持することができた。一方図書の極端な値上
がりによる個人の購買力の低下は、図書館利用を促進し、移
動図書館、地域文庫、本館における貸出文庫の貸出冊数の大
幅な伸びを見せた。
1 移動図書館巡回
48年度は石油危機という予期しない事態に直面して、巡回
回数の削減を余儀なくされたが、本年度はそうした事態の発
生もなく、予定どおり実施できた。
利用総冊数は61,264冊で前年度比40%の増加で、特に県北、
県中の伸びが著しかった。しかし、反面、駐車場の中には、
運営が良好でないものもあるので、駐車場の統・廃合や設置
希望の強い地域への新設など、利用の効率化を図った。
2 貸出文庫
各分館にはそれぞれ平均2,000冊の図書を配置しているが、
これらは長年にわたって蓄積されたものだけに、陳腐化は免
れない。そこで年度当初に各分館の実情を調査し、利用価値
の喪失したものについては本館に引上げるなどの措置を取り、
整備を図った。他方、利用冊数について見ると、本館での取
り扱いは利用人員、利用冊数とも32.8%の増加であるが、各
分館の取り扱いはいずれも前年度を下回った。
分館利用を促進するためには、図書の全面的更新と新刊図
書の計画的配本が必要であるが、現状では極めて困難な状況
にある。
3 親子読書普及活動
親子読書文庫は、新たに下記のところを指定し、既設のも
のを含めて12か所となった。
県北 国見町森江野小学校PTA
梁川町五十沢小学校PTA
県南 中島村滑津小学校PTA
南会津 田島町栗生沢小学校PTA
相双 浪江町浪江小学校PTA
運営面では、各地の要望にこたえて1セット150冊を180
冊に増冊して充実するとともに、年間3回にわたって交換を
行い有効な利用を図った。
4 広報・普及事業
館報「あづま」は、前年度に引き続き刊行回数の減少を余
儀なくされ、3回の発行にとどまったが、内容的には充実を
図った。特に3回にわたって連載した「福島県文学碑総覧稿」
は、関係者の注目を集めた。
普及事業としては、第22回福島県図書館大会が、須賀川市教育委員会
の共催と関係団体の後援を得て、須賀川市中央公民館
を主会場として開催された。
(1)期 日 昭和49年9月10日
(2)会 場 須賀川市中央公民館 須賀川市図書館
(3)参加者 図書館・公民館職員 社会教育関係者
利用者等 約300名
(4)内 容
永年勤続者表彰
記念講演 「歴史と小説の間」 作家 早乙女貢氏
分科会
第1分科会 市町村立図書館の設置を促進するにはど
うしたらよいか。
第2分科会 図書館等相互の協力体制を確立するには
どうしたらよいか。
第3分科会 貸出しを伸ばすためのサービス体制をど
のように作ったらよいか。
また、読書週間記念行事として、ドイツ・アメリカ・イギリス
から直輸入された幼児から小学校低学年向きの絵本の中
から約350点を選択し、「世界の絵本展」として本館を皮切り
に、白河・郡山・喜多方・会津の各市立図書館を会場として
巡回展示した。