教育年報1976年(S51)-212/309page
(5) 銃砲刀剣類の登録状況
美術品もしくは骨とう品として価値のある古式銃砲や、
美術品として価値のある刀剣類の登録を、登録審査委員の
審査に基づいて実施した。
ア 登録審査委員
中沢松雄 郡山市堂前23の7
平原松夫 福島市泉字泉川8の4
宇井正三 安達郡白沢村白岩字大岩入133
堤章 会津若松市馬場町5の1
イ 登録審査会
期日 会 場 鑑定数 不適格数 登録数 左 の 内 訳 審 査 委 員 刀剣 銃砲 5月24日 会津若松合向庁舎 283 14 269 255 14 平原、宇井、堤, 6月22日 郡山合同庁舎 156 13 143 138 5 中沢、宇井、堤 7月20日 いわき合同庁舎 156 16 140 131 9 中沢、宇井 8月24日 白河合同庁舎 157 6 151 146 5 中沢、堤 9月28日 原町合同庁舎 130 6 124 121 3 平原、宇井 11月24日 会津若松合同庁舎 208 5 203 198 5 中沢、平原、堤 12月20日 郡山合同庁舎 208 15 193 183 10 中沢、平原、堤 2月23日 県庁 281 30 251 239 12 平原、宇井 計 8 会 場 1,579 105 1,474 1.411 63
再交付件数 60件
所有者変更届出件数 513件
2 遺跡保護事業
(1) 遺跡周知事業(マイラーベース作成)
ア 目 的
管内における埋蔵文化財包蔵地の周知徹底を図るため、
埋蔵文化財包蔵地分布地図原図(マイラーベース)を作
成する。
イ 内 容
市町村別遺跡台帳の作成整備と埋蔵文化財包蔵地分布
地図原図の作成
ウ 結 果
原図(マイラーベース)は、文化課において保管し、
以後市町村の報告に基づき加除修正をする。完成した原
図により青図を作成し、各市町村教育委員会に配布した。
(2) 史跡指定調査
ア 目 的
歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるため、
第5年次の継続調査を実施した。
イ 調査対象
関和久遺跡(西白河郡泉崎村大字関和久)
ウ 調査指導
伊東信雄(東北大学名誉教授)
エ 調査期間
昭和51年10月20日〜11月21日
オ 調査結果
掘立建物跡3棟、大溝3条を発見した。大溝は郡衙の
東辺を区画するもので、3時期にわたる変遷が考えられ
る。出土遺物は瓦、土師器、須恵器、陶器等約200点を
数えた。
カ 報 告 書
「関和久遺跡5」史跡指定調査概報として刊行した。
(3) 開発用地遺跡対策
ア 遺跡分布調査
国営総合農地開発事業母畑地区(本年度事業施行地域
内の分布調査を実施し、さらに試掘調査により遺跡の範
囲、密度等をは握した)
イ 遺跡発握調査
県営伊達西部ほ場整備事業
本年度事業施行地域内に遺存する条里遺構の発掘調査
を実施し、条里制に関連あると思われる溝を検出した。
国営総合農地開発事業母畑地区
本年度事業施行地域内に存する石川町上森屋段遺跡の
発掘調査を実施し、本県中通りに示例の少ない縄文時代
早期から、前期にかけての竪穴式住居址4棟、弥生時代
中期後半の小竪穴墓1基が検出された。
ウ 市町村の遺跡発掘への協力
開発を起因とした、記録保存のための発掘調査を実施
した市町村に、調査員を派遣した。主な遺跡は三貫地遺
跡(新地町)、輪具古墳(喜多方市)、上台古墳(長沼
町)、借宿遺跡(二本松市)、正直古墳(郡山市)、
順礼堂遺跡(浪江町)、郡山台遺跡(二本松市)、
梁川域跡(梁川町)である。
エ 開発機関との保存協議
国営総合農地開発事業母畑地区の、事業施行に伴う埋
蔵文化財包蔵地の取扱いについて、事業者側の東北農政
局母畑建設事業所、県農地整備課との協議をし、分布調
査、試掘調査の結果に基づいて、工法変更、設計変更等
により遺跡の保存を決めた。