教育年報1979年(S54)-213/319page
保健体育
第1節 概 要
第2次福島県長期総合教育計画及び第1期実施計画に基づ
き、保健体育課においては重点施策の一つである「健康と体
力つくりを図る社会体育の推進」を中心に体育・保健安全・
給食の各分野において相互連携を密にしながら各施策の推進
を図った。その概要は次のとおりである。
1 学校体育の充実
保健体育担当教員の資質の向上と、児童・生徒の体力の向
上を目指して、各種体育実技講習会を開催するとともに、文
部省指定の「体力づくり研究推進校」「格技指導推進校」の
実践研究及び公開発表、学校体育指導の手引き(高等学校編)
の発刊、指導資料の作成・提供等に努めた。
また保健体育担当以外の教員も対象に加えて、運動部活動
指導者講習会を開催し、その指導の充実を図った。
さらにスポーツテストを、小学校低・中学年まで対象をひ
ろげ全県下全児童・生徒について実施し、運動能力・体力の
実態把握に努めたほか新学習指導要領の趣旨徹底講習会を県
内全域において、小・中学校、高等学校の教員を対象に実施
し、その趣旨徹底を図ったので昭和55年度からの円滑な移行
が期待できる。
2 学校保健の振興
学校における保健教育、保健管理の充実を図るために学校
保健関係教員を対象として、保健主事講習会(県内3地区)、
保健安全指導者資質向上講習会(県内3地区)、新任養護教員
研修会(県教育センター)、中堅養護教員研修会(福島市体育
館)、養護教員経験者研修会(県海浜青年の家)、疾病異常対策
講習会(県内2地区)を開催し、資質の向上に努めた。
また、教職員、児童・生徒の健康管理に努めるとともに、
学校保健委員会の設置促進と活動の活発化を図り、学校保健
の充実に当たった。中でも白河市立白河第一小学校が、全国
健康優良学校大規模校の部で全国特別優秀校として表彰された
ことは特筆される。なお、第3回福島県学校保健体育(体育、保
健安全、給食)研究大会、兼第14回東北学校保健大会(会津
若松市)においては、当面する学校保健教育、管理の諸問題
について研究協議を行い、成果をあけた。
3 学校安全の徹底
安全教育、管理の強化を図るために、交通安全指導者講習会
(県内3地区)、高校生二輪車安全運転実技講習会(62校7,178
名)を開催したほか、二輪車運転免許所持者の多い高等学校
の訪問(23校)を行い、二輪車の安全運転の推進を図った。
また、交通安全指導教具(県費補助1組220,O00円×1/2)
の整備に努め、交通事故防止の強化を図った。
4 学校給食の改善充実
完全給食の実施状況は、前年と比較して1.2ポイントと延
びであり大きな変化はみられなかった。実施状況を児童、生
徒数でみると小学校が96.4%で全国平均97.4%とほぼ同じで
あり、中学校は73.5%で全国平均55.7%を大きく上回った実
施率となっている。
中学校の完全給食実施率は、小学校のそれを大きく下回っ
ているので、市町村、学校及びPTA等と連携を密にして、
地域の特性に応した完全給食の実施を積極的に推進していく
必要がある。
米飯給食の実施状況は、県の米飯導入基本構想に基づき、
昭和56年度を目途に週2回の米飯給食実施をめざし、関係機
関と相互連携を密にして導入推進を図ってきた。その結果は
前年に比較して実施率は32.9ポイントの延びがみられ、小・
中学校平均米飯給食実施率は87%となっている。
給食費は、一食当たり県平均小学校165円32銭、中学校196
円90銭で前年度に比較すると小学校で4.0%、中学校で47
%の増額となっている.
なお、学校給食の適正な管理運営と改善充実及び給食関係
職員の資質向上をはかるため、給食主任研修会、栄養職員研
修会、調理研修会、米飯研修会等を開催し、それぞれ所期の
目的達成に努めた。
また、給食物資は安全にして良質なものを安定した価格で
年間を通して購入できるようにするとともに父兄負担の軽減
を図る必要がある。このため県学校給食は、国及び県の補助
を受けて昭和54年度に冷凍倉庫を建設し、昭和55年1月より
業務を開始した。
学校給食において懸念される食中毒等の事故防止のため、
衛生、安全管理の徹底を図るべく文書、研修会等で指導して
きたが、2件の食中毒事故が発生した。今後はさらに調理従
事者に対する衛生思想普及の強化を計る必要がある。
5 第3回福島県学校保健体育(体育・
保健安全・給食)研究大会
幼児・児童・生徒の健康の増進、体力の向上をめさすとと
もに学習指導の改善充実を図るため、学校体育、保健安全及
び給食の調和のとれた指導等について総合的に研究を進める
ため759名の参加を得て、会津若松市文化センターを主会
場にして2日間の日程で開催し、所期の目的を達成した。
6 社会体育の振興
県民の多様化したスポーツ活動への欲求に対応するため、
各種講習会、研修会を開催し、スポーツ活動指導者の養成と
資質の向上に努めた。
また県総合体育大会、県民スポーツ大会をはじめ各種競技
大会を開催し、県民スポーツの振興を図るとともに、東北総