教育年報1983年(S58)-088/323page
4) 本県へき地学校の概要
本県はへき地学校が多く、人事委員会指定は県全体
の学校数に対して、小学校は25.2%、中学校において
は18.0%になる。さらに、県教育委員会指定のへき地
校は、小学校83校、中学校25校あり、これを含めると
本県のへき地学校は、県全体の小中学校の35.6%を占
める。
へき地学校は会津地方、次いで阿武隈山系に分布し
ており、その多くは小規模校と分校である。
児童生徒数についてみると、全児童生徒数に対して、
へき地小学校在籍児童数は10.0%、へき地中学校在籍
生徒数は8.2%に当たる。また、教職員については、
県教員数の18.9%のものがへき地学校に勤務している
現状である。
(2) へき地教育の振興策
へき地の学校は、概して小規模であり、かつ分校も
多いため複式学級が多い。従って教育条件の改善充実
を図るとともに、へき地学校に優秀な教員を確保する
ことが緊要である。
1) へき地教育の人事行政
「昭和58年度末人事に関する方針」1の(2)において、
「教育の機会均等の理念に立脚し、各学校の教職員組
織の充実と均衡化及び教育庁職員組織の充実をはか
る。」ことを基本方針としてかかげ、これを受けて昭
和58年度末小中学校教職員人事実施要項の二において
「交流のための区分を設定し、すべての教職員を在職
期間中に都市、平地、へき地の勤務を公平に経験させ
る。」こととしへき地と各地域との計画的な交流の推
進を図った。
また、へき地派遣制度によるへき地派遣、へき地学
校勤務で優秀な実績をあげた者の管理職への抜てきな
どの施策もあわせて実施した。
ア へき地交流
(ア) 地域区分
県内の地域区分を次のとおりとする。
。特A地域 旧4市(福島、郡山、若松、平)の学校
。A地域 市、主要町村の学校
。B地域 特A、A及びC地域以外の学校
。C地域 へき地の学校(人事委員会、教育事務
所の各指定学校)
(イ) 交流基準
<ア> へき地学校勤務についてば次の基準による。
○ 教員については、その在職期間中に別表2に
よる期間勤務する。ただし、会津ブロック外出
身者の会津ブロックへき地学校勤務年数は、別
表3による。
○ 昭和28年度以降採用者のうちで、へき地学校
勤務の経験のない者については、計画的にへき
地学校へ転出させる。ただし、へき地学校に勤
務すべき該当者が少ない場合においては、採用
年度にかかわらず計画的にへき地学校に転出さ
せる。ただし、へき地学校に勤務すべき該当者
が少ない場合においては、採用年度にかかわら
ず計画的にへき地学校に転出させる。これがた
め、当分の間はまず、昭和22年度から昭和27年
度までの採用者であって、へき地学校勤務経験
のない者及びへき地経験の少ない者を重点的に
考慮する。
すでにへき地経験を有する者が、再び相当期
間へき地学校に勤務し、都市又は平地の学校に
転出を希望する者については、優先的に考慮す
る。
別表2
級 別 教育事務所
指定のへき
地人 事 委 員 会 指 定 へ き 地 特 地
準1級地1級地 2級地 3級地 4級地 5級地 勤務年数 4年以上 3年以上 2年以上 別表3
「会津ブロック外出身者」
の会津ブロックヘき地勤
務年数へ き 地 級 地 別 教育事務所指定
特地、準1級地1級地以上 2年以上 昭和58年度へき地交流件数
転出入/学校種別 へき地への転入件数 へき地からの転出件数 管内 管外 計 管内 管外 計 小学校 116 79 195 197 107 304 中学校 79 80 159 94 56 150 計 195 159 354 291 163 454 イ へき地派遣制度
へき地校勤務満了教員で、都市又は平地の学校に勤
務する教員のうちから、成績優秀な中堅教員を厳選し
て計画的にへき地学校に派遣し、その教育実践をとお
してへき地教育振興に役立てるとともに、当該教員が
相当期間勤務し、その勤務成績が良好の場合は、抜て
き人事等の優遇措置を講ずることとした。相当期間と
は3年以上である。
昭和58年度末は特に東白川地区、南会津地区を重点
地区に設定し、教員組織の充実強化をはかった。
2) へき地学校教職員の経済的優遇策
ア 旅費の配分算定資料として、へき地学校の場合は、
教員1人当たり5,000円の研修旅費を支給し優遇して
いる。
イ 赴任旅費の支給
4、5級の高度へき地の学校に赴任する新採用教員
に対する赴任旅費を支給している。
ウ へき地手当及びへき地手当に準ずる手当の支給
人事委員会指定のへき地学校に勤務する教職員に対
し、給料と教職調整額と扶養手当の合計額にその級地