教育年報1986年(S61)-198/213page

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会津少年自然の家

第1節 概     要

 会津少年自然の家は、恵まれた自然環境の中で、生き生き

とした野外活動と集団宿泊生活を体験することにより、心豊

かで心身ともに健全な少年を育成するために、昭和56年4月

に開所された社会教育施設である。

 少年自然の家は、家庭教育・学校教育・社会教育がもつそ

れぞれの教育機能を統合し、効果的に補完するための教育施

設で、次のような教育目標を掲げ、その達成に努めてきた。

「心豊かで、自ら生活を創造し、実践するたくましい福島っ

子を育てる」

 (1) 自然に親しむ活動を通じて、自然の恩恵にふれ、自然

  を愛する心や、敬けんの念を育てる。

 (2) 集団宿泊生活を通じて、自律心・協調心を養い、規律

  を守り、責任を重んじ、進んで奉仕する態度を育てる。

 (3) 野外活動を通じて、たくましい体力と根性を育てる。

 1 運営委員会

   所長の諮問機関である運営委員会の委員は次のとおり

  である。

氏  名 役  職  名
浅沼恒昭 福島県中学校長会副会長
(会津若松市立第四中学校長)
岩田弘 喜多方市子ども会育成会連絡協議会長
◎菊地行雄 会津坂下町長
佐々木昭吾 福島県公民館連絡協議会副会長
  (会津若松市中央公民館長)
佐藤孝二 福島県小学校長会両沼支会長
  (会津坂下町立坂下小学校長)
照井蔵人 北会津地区社会教育委員連絡協議会長
  (会津若松市社会教育委員)
長谷川四郎 福島県子ども会育成会連合会参与
  (社会福祉法人会津児童園長)
○星輝雄 福島県市町村教育委員会連絡協議会常任委員
  (会津若松市教育委員会教育長)
若林大 福島県PTA連合会副会長
  (会津若松市連合PTA会長)
和田光豊 福島県議会議員
 ◎印 議長   ○印 副議長

2 昭和61年度重点目標と成果

(1) 集団宿泊生活の充実

 1) 利用団体の研修の充実を図り、連携を強化して、指導

  援助と利用の促進に努めた。   

 2) 利用団体の自主的・自発的な態度の助長に努め、役割

  分担を明確におさえ、活動の充実を図った。

 3) 利用団体の効果的な研修活動に必要な活動プログラム

  の工夫にとりくみ、「野営生活の手引」等の改訂や新し

  い活動種目の開発、指導資料の整備に努めた。

 4) 各学校、団体の実態や利用のねらいに即して、各種活

  動のボランティアの活用を図り、利用団体の研修活動

の充実に資することができた。

(2) 施設・設備の充実

 1) フィールドアスレチックの補修、野外活動コースの整

  備に努め、活動の充実を図ったと

 2) 第3キャンプ場の整備を進め、テント20張り、120名が

  利用できる野営場の実現をめざしてきた。年々、キャン

  プ生活と諸活動の効果が高まってきている。

 3) 環境整備の一環として、本館内に展示コーナーを設け

  美術品、民芸品、動植物の標本等を整理した。

 4) 進入路東側土留工事、新堤木橋の改修工事を完了した。

  また、野外トイレも設置した。

 5) キャンプ場、ロッジ、本館周辺には、記念植樹をはじめ

  緑化整備を進めることができた。

(3) 広報活動の強化

 1) 特色ある所報の発行と各種の広報活動を通じて、施設

  の特色、活動状況の紹介等、施設利用の促進に努めた。

 2) 各報道機関、各市町村教育委員会、社会教育関係機関、

  小・中・養護学校及び社会教育関係団体との連携を強化

  して施設利用の啓蒙に努めた。

(4) 主催事業の効果的運営

 1) 当所を利用する学校団体、社会教育関係団体(少年団

  体等)の指導者を対象に効果的な利用を図るため、集団

  宿泊指導者研修会を開催し、各団体の指導者としての資

  質と指導力の向上に努めた。

 2) 少年たちの豊かな自然体験を通した情操の陶治をめざ

  して、「自然にいどむ少年のつどい」を開催し、少年期

  にふさわしい冒険心と夢を育てるなど効果的に実施する

  ことが出来た。なお、雪不足のため「少年スキー教室」

  が開催できなかったのは、残念であった。

 3) きびしい会津の冬を体験しながら、親と子のふれあい

  を深め、他家族との親睦を図る目的で開催した「冬山に

  いどむ親子のつどい」 「親子白銀のつどい」は、参加者

  の共感を深くし、効果的に終了できた。

 4) 唯一の補助事業である「野外活動実技指導者研修会」

  は、今後ますます求められる青少年団体活動の指導者育

  成のために、有効に進めることが出来た。

(5) 施設・設備の保全と事故防止の徹底

 1) 防災組織を確立し、責任体制を明確にして、日常およ

  び月例点検を強化し、施設・設備の保全に努めた。

 2) 利用団体の事故防止のため、特に事前研究会・事前打

  合せ会時に、引率指導者に対する指導に努め、また具体

  的な活動の各場面で指導の徹底を図った。

 3) 防災訓練にあたっては、防災器具、機材の操作法の訓

  練を実施するとともに、広大な活動敷地の保全と山火事防

  止のための野外パトロールの適時実施に努めた。

 4) 関係機関による建物の防火査察、保全点検、環境衛生

  等を依頼し、建物の保全と事故防止に努めた。

5) 給食委員会を随時開催し、食中毒の防止、予防指導と


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