教育年報1987年(S62)-114/225page
文化
第1節 概 要
県教育委員会では、県民の文化に対する関心の高まりを背
景に先人の築きあげてきた文化的遺産を継承するとともに、
新たな文化を創造発展させるため、"伝統を生かした地域性
豊かな文化活動の推進"をスローガンに「文化活動の促進」、
「文化の伝承の充実」、「文化施設の整備充実」を3本の柱
とし・県民の自主性と創意性を尊重しながら、文化活動を更
に活発にするための条件整備を行ったが、その成果は次のと
おりである。
1 文化活動の促進
(1) 芸術文化活動発表の機会の充実
県総合美術展覧会、県文学賞を充実し作品の応募を奨励
するとともに、文化団体を主体として運営している県芸術
祭の充実に努めた。
(2) 芸術鑑賞の機会の確保
県総合美術展移動展、こども・青少年芸術劇場、家庭劇場
等を実施し、優れた芸術鑑賞の機会の確保に努めた。
(3) 文化振興基金の充実と活用
文化団体の育成と県民の自主的な文化活動の活発化を図
るため・(財)福島県文化振興基金の充実と活用に努めた。
(4) 文化活動指導者の養成確保
芸術セミナーの開催や文化活動指導者バンクの活用促進
により、文化活動指導者の養成確保に努めた。
2 文化の伝承の充実
(1) 文化財保護体制の充実
文化財保護体制を確立するため、文化財保護行政組織の
充実に努めた。特に、埋蔵文化財保護体制の強化を図った。
また、文化財保存管理の万全を期するため、文化財パト
ロールの充実に努めた。
(2) 文化財保存調査の推進
文化財に係る資料の整備と記録保存を図るため、山岳信
仰等の基礎調査及び田植踊等の緊急調査を行った。
(3) 埋蔵文化財の保存の充実
開発事業に対して、事前の表面分布調査と試掘調査を実
施するとともに、事業者側と協議を行い可能な限り現状保
存に努めながら記録保存のための発掘調査を実施した。
(4) 文化財防災設備等の整備促進
文化財の防災設備、保存施設等の整備を促進するととも
に、所有者又は管理団体に対し日常的管理業務の強化を図
るよう指導に当たった。
(5) 文化財保存助成の充実
国及び県指定文化財の保存、修理及び埋蔵文化財保存調
査事業に対し国及び県費助成を行った。
(6) 文化財の愛護と公開の推進
文化財に対する県民の理解と愛護精神の高揚に努めると
ともに、県民俗芸能大会を開催し公開の機会の充実に努めた。
3 文化施設の整備充実
(1) 県文化センターの整備充実
県文化センターの施設・設備を整備充実するとともに、
文化情報の収集、提供に努めた。
(2) 県立美術館の整備充実
美術作品の収集と作品・作家等に関する調査研究を計画
的に推進するとともに、常設展、企画等の充実を図ったほ
か教育普及活動を活発に行うなど本県美術振興の中心施設
として機能の充実に努めた。
(3) 県立博物館の整備充実
展示資料の収集・整備に努め毛調査研究を計画的に推進
し、常設展・企画展等の充実を図るとともに教育普及のた
めの各種事業を行い、県内博物館の中心的施設として機能
の充実に努めた。
第2節 文化活動の促進
1 文化振興のための条件整備
(1) 文化行政の推進
1) 県教育事務所文化行政担当者会議
ア 日 場 昭和62年4月
イ 会 場 あづま荘会議室
ウ 参 加 者 21名
2) 芸術文化懇談会
本県又化の将来への発展のために、出席者より提言を
求め、県文化の振興並びに県文化行政推進の参考とした。
ア 日 時 昭和63年3月13日
イ 会 場 福島県自治会館303会議室
ウ 懇談事項 県及び市町村文化振興基金について
エ 出 席 者 渡辺良雄 丹野清栄 今泉壮市 八巻忠義
金崎佳生 草野紀 橋本哲夫 皆川清
一条秀人 岡部敏夫 泉祥一 志賀敏行
芳賀郁子 堀川聡 谷口悟 生田目宗
2 芸術文化活動発表機会の充実
(1) 第40回福島県文学賞
ア 趣 旨
県民から作品を公募して優秀作品を顕彰し、地方文化
の進展と本県文学の振興を図る。
イ 応募数
小説 56点、詩8 3点、短歌 38点、俳句 50点、計
227点