教育年報1987年(S62)-176/225page

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養護教育センター

 第1節 概     要

 養護教育センターは、本県養護教育の振興と充実を図るこ

とを目的として.昭和61年4月1日に開所し、心身障害児の

教育相談、養護教育関係教職員の研修、養護教育に関する事

項の調査研究、養護教育に関する図書資料の収集と提供、養

護教育の理解・啓発のための資料の作成と広報等に関する事

業を推進してきた。

 1 落  成  式

 養護教育センターは、昭和56年度県政重点施策視点対応事

業として、県心身障害児総合療育センターと機能連携が図れ

るよう整備することに決定し、基本構想検討委員会を設置し

て、その目的、性格、機能、規模、施設、組織人員等につい

て検討を重ね、昭和59年7月7日に着工し、昭和61年3月25

日に第一期工事が竣工し、4月1日から事業を開始した。

 なお、第二期工事は、昭和61年5月7日に着工し、昭和62

年3月26日に竣工した。

 落成式は、4月21日(火)午前10時30分から、心身障害児総合

療育センター講堂において、松平勇雄知事をはじめ、関係者

113名の出席のもとに挙行された。

 2 教育相談事業

 心身に障害が認められるか、又はその疑いのある幼児・児

童生徒を対象に、養育、学習指導、就学、進路等について、保護者

や学校、幼稚園、保育所、市町村教育委員会からの相談に対

応し、その解決のために必要があれば、嘱託医(小児科、眼

科、耳鼻咽喉科、神経精神科、整形外科)と連携して、検査

・観察・診断等を行い指導援助を実施した。また、本県の広

い地理的条件を考慮して、県北(県立聾学校福島分校)、会

津(同会津分校)、浜通り(同平分校)に地域相談室を設置

するとともに、心身障害児巡回就学相談を県内6会場で実施

した。

 なお、この1年間の相談総件数は、延べで1,499件であっ

た。

 3 教職員研修事業

 養護教育センターは、養護教育関係教職員を対象として、

専門職としての資質能力の向上を図るために、第3次福島県

長期総合教育計画に基づく研修計画のうち、各種障害児教育

に関する専門的内容についての研修事業を実施した。

 本年度の研修の企画運営に当たっては、各講座の特性を考

慮して、継続的、系統的、発展的視野からできるたけ現実的

な教育実践に直結した内容・方法を取り上げ、教育活動の状

況展開に対処するうえで必要な専門的知識・技能を重点的に

習得し、専門的な資質能力の向上を図るように努めた。

 本年度実施した研修講座は17講座で、開設日数は51日、研

修人員は274名、研修延べ人員は821名であった。

 4 教育調査・研究事業

 養護教育センターに課せられた研究機関としての役割と使

命を達成するため、本県か当面している養護教育振興上の課

題及び学校における教育実践上の具体的課題と関連する研究

主題を設定し、所員並びに学校関係者の協力を得ながら、次

の研究を行った。

 1) 共同研究「心身障害児の適正就学の進め方に関する研究

一実態調査と教育相談を通して一」第2年次(2年継続研究)

 2) プロジェクトチームによる研究「コミュニケーション行

動の向上に関する研究一いわゆることばを持たない子供のコ

ミュニケーション行動の高次化を図る教材・教具を中心に一」

第2年次(2年継続研究)

 また、所員一人一人が担当する個人研究も行い、これらの

研究成果は、教育相談及び研修講座の内容・方法の改善充実

に反映させるとともに、研究紀要第2号として刊行した。

 なお、養護教育課、盲・聾・養護学校等の関係職員の出席

のもと、昭和63年2月15日(月)に、第2回研究報告会を実施し

た。

 5 教育図書・資料の収集・提供事業

 養護教育の振興充実に役立つ情報・資料を県内教職員に提

供するため、養護教育関係の専門図書・資料の収集・整理を

行い、養護教育担当教員等の利用に供した。なお、養護教育

関係図書は4,458冊、月刊・季行誌は31種類となっている。

 6 広報・啓発事業

 養護教育センターの事業内容及び所員による調査・研究の

成果等を広報するため、所報「養護教育」を年間5回発行し

たのをはじめ、研究紀要、広報パンフレット等を学校、教育

機関等に配布して、養護教育の普及を図るとともに、「教育

福島」、テレビ、新聞等をとおして、広く県民の養護教育に

対する理解と認識を深め、人間性を重視した学校教育を推進

するための援助に努めた。

第2節 心身障害児の教育相談事業

 心身に障害をもつ就学前幼児、学齢児童・生徒に関する教

育相談として、障害の種類や程度に応じた適切な教育措置が

とられるよう、専門的かつ総合的観点から実施してきた。

 1 相 談 対 象

 心身に障害が認められるか、又はその疑いのある幼児、児

童・生徒が相談対象であり、障害の種類は次の通りである。

 ○視覚障害     ○病弱・虚弱

 ○聴覚障害     ○言語障害

 ○精神薄弱     ○情緒障害

 ○肢体不自由    ○重複障害



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