教育年報1987年(S62)-198/225page
博物館
第1節概 要
1 運営の概要
開館2年目の本年度は、調査研究・企画展・教育普及事業
を中心に内容の充実を図り、その成果に県内外から高い評
価が寄せられている。館の内容・機能の理解が進むにつれて、
貴重なコレクションの寄贈・寄託が急増したことと、市町村
の文化財保存事業に対する指導要請が多いことを指摘できる。
収集・調査事業を通じて市町村との密着を図り、それが確
実に入館者数に反映しており、有料入館者数は25方人を超え、
他に教育普及事業への出席者数は7,800人、体験学習室のみ
の利用者数は3,000人を超えている。
2 運営協議会
ア 委 員
学校教育 伊藤正男 県小学校長会代表
小林四郎 県中学校長会代表
樫村五郎 県高等学校長協会代表
社会教育 望月敏雄 公民館連絡協議会長
邊見榮之助 福島県文化センター館長
学識経験者 高田兼芳 県議会議員
岡田茂弘 国立歴史民俗博物館教授
高瀬喜左衛門 県立会津短期大学学長
太田美恵子 市町村教育委員連絡協議会長
中川幸意 会津史談会長
イ 会 議
第1回 昭和62年10月30日 第2会議室
・報告 県立博物館の運営について
・協議 県立博物館友の会について
県立博物館学習指導の手引きについて
第2回 昭和63年3月8日 第2会議室
・協議 昭和63年度予算、事業概要について
県立博物館友の会について
県立博物館利用の手引について
第2節 調査研究事業(テーマ研究)
1 縄文土器の地域性
ア 分布調査 大川水系 6月12日〜7月22日、伊南川水
系 7月23日・24日、只見川水系 9月4日
イ 試掘調査・測量調査 田島町糸沢上ノ台遺跡 10月14
日〜15日 12月15日〜17日
ウ 出土品整理 11月〜3月
エ 関連資料調査 加曽利貝塚博物館・法政大学考古学研
究室 2月9日〜11日
2 近世の流通路(廻米を中心として)
ア 阿賀川舟運関係調査 新潟県東蒲原郡・同豊栄市・同
新津市・同糸魚川市 5月20日〜10月24日
イ 阿武隈川舟運関係調査 東和町・安達町・川俣町・本
宮町 9月19日〜20日
ウ 下野街道・八十里越・六十里越関係調査 金山町・只
見町・栃木県藤原町・新潟県小出町・同小千谷市 6月
19日〜10月14日
エ 関連資料調査 三井文庫 明治大学刑事博物館 12月
17・18日
オ 大場川船模型製作 津川町船大工 志田誠
3 町の歴史と民俗
ア 予備調査 須賀川市北町地区 6月18・19日
イ 須賀川市北町地区調査 7月3〜6日、11月14〜17日
ウ 会津若松市七日町地区調査 8月23〜26日 昭和63年
1月10〜13日
エ 小野町吉田家文書調査 9月18・19日 12月3〜5日
4 浜通リ地方形成史の解明
ア いわき市泉・植田・高久地区の層序・構造調査 11月
26〜30日 昭和63年3月16〜19日
5 出土鉄製品の構造技法調査
ア 直刀の構造技法調査
(ア) 大塚山古墳北棺出土直刀X線透過撮影による調査
(イ) 神宮寺出土金銅装環頭大刀拵 〃 〃
はばき
(ウ) 平造大刀及び■本孔象嵌大刀 〃 〃
6 三貫地貝塚出土品整理事業
ア 実測図作成 土器100点 石器100点 骨角器50点
イ トレース作成 土器100点 石器100点骨用器50点
ウ 図 版 作 成 土器150点石器150点骨角器120点
エ 原 稿 執 筆 経過300枚遺物・遺構1,000枚
考察300枚
7 クジラ化石整理事業
ア クリ一ニング
イ 樹脂含浸 肋骨10本 脊椎骨3本
ウ 接合復元 肋骨5本
エ 写真撮影 肋骨10本 脊椎骨5本上腕骨1本
オ レプリカ作成 肋骨3本