福島県教育センター
第1節 概 要
教育センターは、本県の学校教育の向上・発展に寄与する
ために、教育に関する専門的・技術的な事項の調査研究を推
進した。さらに、教育関係職員の研修をはじめ、情報処理教
育、教育相談、教育図書・資料の整備、教育関連の情報提供
等に関する事業を実施した。
これらの事業の概要は、次のとおりである。
1 研 修 事 業
教育関係職員に対して資質の向上を図り、専門職としての
職務遂行能力の向上に資するために、
第三次福島県長期総合教育計画に基づく各種の研修講座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修 1(教職5年経験)、
経験者研修 2(教職10年経験)並びに、専門研修 2(各教科、
教育工学、道徳、特別活動、生徒指導・教育相談、情報処理
教育)、専門研修 3(学校経営、教育研究法)を実施した。
平成3年度の研修講座の実績は、次のとおりである。
○講 座 数 46講座
○講座開設回数 90回
○講座研修者数 3,310人
○講座開設期間 平成3年5月20日〜平成4年2月28日
2 研 究 事 業
教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命を
達成するため、広く全国的視野に立って教育の動向を見定め、
本県が直面している教育上の課題や学校における教育実践上
の諸問題とに関連する研究主題を設定し、理論と実践の両面
から専門的に研究を推進した。
研究は、部単位のプロジェクトチームによる共同研究と各
所員による個人研究に分けられ、共同研究の成果は
「研究紀要」としてまとめられ、所員個人研究の成果は随時「所報」
に発表した。更に、それらを平成4年2月18日に開催した
福島県教育研究発表大会(於教育センター)において発表し、
その成果を県内外に示した。
共同研究の研究主題は、次のとおりである。
1) 個を生かす学年'学級経営に関する研究
2) 基礎・基本の定着と個性の伸長に関する研究
3) 授業におけるコンピュータの効果的な活用に関する研究
4) 開発的な指導援助の在り方に関する研究
3 教育相談事業
幼児・児童生徒の教育上の諸問題について、学校または、
保護者及び本人からの教育相談に応じ、その解決・改善へむ
けてカウンセリング等による指導援助を進めた。
今年度の来所相談の件数は193件で、延べ人数は、1,131
人、電話相談回数は、1,424回であった。
4 教育図書・資料事業
県内教職員の教育実践活動に役立つ教育図書・資料を提供
するため、教育の専門図書・教育資料の収集・整理を行い、
コンピュータを利用して検索の迅速化を図り、教育図書・資
料の提供・活用を容易にしている。収集した教育図書・資料
は、「所報」で紹介するとともに、教育資料の件名目録を作
成し配布した。
5 情報処理教育
汎用コンピュータ及びパソコンLANシステムを使用して、
コンピュータ言語によるプログラミング、CAI教材の作成、
図形処理、表計算ソフトウェアの活用に関する研修を実施し
た。高等学校生徒に対しては、プログラミング、目動製図、
パソコンCAD、ワープロなどの実習を行った。
本教育センターの情報処理教育施設を利用した教職員は延
べ7,555人であり、高等学校生徒は延べ1,656人であった。
第2節 教職員研修
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置づけられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修講座の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者、教職10年経験者を対象にした。
初任者研修の内容は、教科指導、生徒指導・教育相談、
情報リテラシー及び教職一般に関するもの等で、小・中学
校は2泊3日を1回、高等学校は学校教育と法令を加味し
て、前期・後期2回にわたり実施した。
経験者研修 1・ 2は、教科の専門性及び指導法の向上を
中心に、経験年数を踏まえた内容で2泊3日で1回実施し
た。
(2) 専門研修 3は、社会の変化に対応した教育活動の充実の
ために、教育工学、情報処理教育、教科指導、道徳、特別
活動、学校カウンセラー等に関する各種の講座を実施した。
専門研修 3は、教科等の専門性及び指導力の深化、全校
的視野や経営的視点での学校教育の充実のために、教育研
究法、学校経営に関する講座を実施した。