教育年報1992年(H4)-120/225page
的にも解明が進んでいる本遺跡の重要性を重視し、過去
10年間の成果をまとめ、基本資料を刊行するために今年
度から本報告作成を行っている。
(4) 埋蔵文化財保護体制充実のための研修
1) 第20回福島県埋蔵文化財発掘技術者講習会
○期間 平成4年8月4日〜8月6日
○会場 須賀川市大東公民館
郡山市 正直A遺跡
○人員 33名
○内容 ・講義(1)「遺跡発見から発掘調査まで」
文化課専門文化財主査 西間木薫
・講義(2)「福島県内の埋蔵文化財発掘調査の現
況」
財団法人福島県文化センター
遺跡調査課文化財主査 大越道正
・発掘調査実習 正直A遺跡(8月5日〜6日)
2) 奈良国立文化財研究所埋蔵文化財センター主催
埋蔵文化財発掘技術者等研修
ア 一般研修
○一般課程 平成4年7月1日〜8月7日
長谷川正 本宮町立歴史民俗資料館
イ 専門研修
○環境考古課程 平成4年5月28日〜6月19日
佐藤勝比古 (財)いわき市教育文化事業団
○文化財写真課程 平成4年10月13日〜10月30日
藤谷誠 (財)福島県文化センター遺跡調査課
○遺跡保存整備課程 平成4年11月19日〜12月9日
柳沼賢治 (財)郡山市埋蔵文化財発掘調査事業団
○保存科学基礎課程 平成5年1月19日〜1月29日
高村朋子 (財)福島市振興公社
ウ 特別研修
○金属遺物科学調査課程
平成4年12月15日〜12月18日
高荒淳 (財)福島市振興公社
○木器調査課程 平成5年2月4日〜2月9日
吉田功 (財)福島県文化センター遺跡調査課
○有機質遺物応急処理課程
平成5年2月16日〜2月19日
○埋蔵文化財基礎課程 平成5年3月2日〜3月8日
佐藤邦昭 福島県教育委員会
岩田健太郎 会津若松市教育委員会
(5) 埋蔵文化財保護の普及活動
埋蔵文化財調査報告書の刊行
1) 母畑地区遺跡分布調査報告 17
2) 母畑地区遺跡発掘調査報告 32
3) 東北横断自動車道遺跡発掘調査報告 15・16・17・18
4) 三春ダム関連遺跡発掘調査報告 5・6
5) 原町火力発電所関連遺跡調査報告 3
(6) 埋蔵文化財周知事業
平成3年度から平成6年度までの4ケ年の計画で、県下
全域を対象により詳細な分布調査を実施し、埋蔵文化財包
蔵地の実態をより正確に把握し、その周知徹底を図るとと
もに、文化財保護の基礎的資料として「埋蔵文化財包蔵地分布図」
及び「地名表」を整備する。
平成4年度は、県中地区の調査を実施し、およそ3,360
箇所の埋蔵文化財包蔵地を確認し、遺跡台帳等を整備した。
(7) 県内の発掘調査の状況
発掘調査(試掘調査を含む)の原因別・方部別件数は、
下表のとおりである。原因別では、道路建設、都市計画に
よる区画整理事業を含む宅地造成、農地開発工事に関連す
る土木工事等による発掘調査が上位を占めている。また、
大規模な開発が増加する傾向にあり、開発用地が広大な面
積となるため、工法対応等による部分調査で対応できずに
全面調査となる遺跡が増加している。その結果、発掘件数
は減少しているが、一遺跡あたりの調査面積は拡大して来
ており、全体として発掘調査量は膨大なものとなっている。
平成4年度発掘調査件数 (平成5年3月)
県北 県中 県南 会津 南会津 相双 いわき 計 農業関係(国・県・団体) 5 5 10 都市計画等 12 8 2 2 24 道路建設 5 40 1 3 3 13 65 河川・ダム・空港 9 1 10 宅地造成等 2 9 2 1 14 学校建設 1 1 2 その他の建物 1 1 2 1 1 6 電気・ガス・水道 3 3 ゴルフ場・土取り 1 1 その他 2 3 3 1 1 10 学術調査 1 2 3 2 2 10 計 34 67 11 14 0 10 19 155 発掘調査件数155件の内訳は、県教育委員会が実施したもの30件、
市町村教育委員会が実施したもの125件です。なお、
事前協議のための試掘調査は、97件です。