教育年報1992年(H4)-171/225page
第12章 福島県教育センター
第1節 概 要
教育センターは、本県の学校教育の向上・発展に寄与する
ために、教育に関する専門的・技術的な事項の調査研究を推
進した。さらに、教育関係職員の研修をはじめ、情報処理教
育、教育相談、教育図書・資料の整備、教育関連の情報提供
等に関する事業を実施した。
これらの事業概要は、次のとおりである。
1 研 修 事 業
教職員の資質と指導力の向上を図るために、平成4年度
福島県公立学校「教職員現職教育計画」に基づく各種の研修講
座を実施した。
基本研修の初任者研修、経験者研修1(教職5年経験)、
経験者研修2 (教職10年経験)並びに、専門研修2
(各教科、道徳、特別活動、教育工学、生徒指導・教育相談、
情報処理教育)と専門研修3 (学校経営、教育研究法)を実施した。
平成4年度の研修講座の実績は、次のとおりであった。
○講 座 数 46講座
○講座開設回数 88回
○講座研修者数 3,233人
○講座開設期間 平成4年5月18日〜平成5年2月26日
2 研 究 事 業
教育センターに課せられた研究機関としての役割と使命を
達成するため、広く全国的視野に立って教育の動向を見定め、
本県が直面している教育的課題や学校における教育実践上の
諸問題に関連する研究主題を設定し、理論と実践の両面から
専門的実践的に研究を推進した。
研究は、部単位のプロジェクトチームによる共同研究と各
所員による個人研究とに分けられる。共同研究の成果は「研
究紀要」としてまとめた。個人研究の成果は随時「所報」に
掲載した。さらに、それらを平成5年2月19日に教育センター
で行われた福島県教育研究発表大会において発表し、その
成果を県内外に示した。
共同研究の研究主題は、次のとおりである。
1) 個を生かす学年・学級経営に関する研究
2) 一人一人の個性を生かす評価の在り方に関する研究
3) 児童生徒の創造性を高めるための教材開発
4) 開発的な指導援助の在り方に関する研究
3 教育相談事業
幼児及び児童生徒の知能学業、性格行動、身体反応、進路
適性等の教育上の諸問題について、学校または、保護者及び
本人からの教育相談に応じ、その解決・改善に向けてカウン
セリング等による指導援助に当たった。幼児の相談は、計画
(年間24回)に沿って、定期的にプレイセラピー(遊戯療法)
を実践した。
今年度の来所相談の件数は233件で、延べ人数は、1,106
人、電話相談回数は、1,569回であった。
4 教育図書・資料事業
県内教職員の教育実践活動に役立つ教育図書・資料を提供
するため、教育の専門図書・教育資料の収集・整理を行い、
コンピュータを利用して検索の迅速化を図り、教育図書・資
料の提供・活用を容易にしている。収集した教育図書・資料
は、「所報」で紹介するとともに、教育資料の件名目録を作
成し、教育庁関係機関及び県下小・中・高・養護学校に配布
している。また、教育図書・資料の活用を図るため、郵送に
よる貸し出しも実施している。
5 情報処理教育
公立学校の教員に対し、情報教育に関しての専門研修と情
報リテラシーに関する基本研修を行った。その内容は、汎用
コンピュータ及びパソコンLANシステムを使用したコンピ
ュータ言語によるプログラミング、CAI教材の作成、図形
処理(CAD)、表計算リフトの活用等に関するものであっ
た。
また、高等学校の生徒に対しては、プログラミング、パソ
コンCAD、ワープロ等の実習を行った。
本センターの情報処理施設を利用した教職員は延べ7,067
人であり、高等学校生徒は延べ1,164人であった。
第2節 教職員研修
教育センターにおける教職員研修は、基本研修と専門研修
に位置付けられ、それぞれ次のとおり実施した。
1 研修講座の概要
(1) 基本研修は、小学校・中学校・高等学校とも初任者、教
職5年経験者、教職10年経験者を対象にした。
初任者研修の内容は、教科指導、生徒指導・教育相談、
情報リテラシー及び教職一般に関するものなどで、小・中
学校は2泊3日を1回、高等学校は学校教育と法令を加え
て、前期・後期にわたり2泊3日を2回実施した。
経験者研修1・2 は、教科の特性を生かした指導法など
経験年数を踏まえた内容で、2泊3日を1回実施した。
(2) 専門研修2 は、社会の変化に対応した教育活動の実践に
資するために、教科指導、道徳、特別活動、教育工学、学
校カウンセラー、情報処理教育等に関する各種の講座を実
施した。
専門研修3 は、教科等の指導力の深化、全校的視野や経
営的視点での学校教育の充実を図るため、教育研究法、学
校経営に関する講座を実施した。