第8章 社会教育
第1節 社会教育一般
1 社会教育に関する施策の概要
県教育委員会は今日の社会の動きを的確に把握しながら、
平成5年度の重点施策を策定した。その重点施策に基づき社
会教育の施策の概要を次のように設定する。
【施策の概要】
1 社会教育活動の充実
(1) 青少年教育の充実
青少年の豊かな心やたくましい体の育成を図るため、市
町村における少年教室、青年学級・教室の開設を促進する
とともに、地域、職場、学校、家庭の協力・連携により、
青少年の健全育成を図り、社会参加活動の一層の推進に努
めた。
(2) 婦人教育の充実
社会の変化に対応した魅力ある学級・講座の開設や婦人
の多様化、高度化した学習要求に応える事業の開発、学習
内容、方法、形態の工夫などにより、婦人教育事業の充実
に努めた。
(3) 成人教育の充実
生活上、職業上から生ずる成人の学習要求を的確に把握
し、より専門的な学習内容を備えた学習機会を提供するた
め、生涯学習県民講座の充実を図り、中高年層の成人が学
習しやすい条件整備に努めた。
(4) 高齢者教育の充実
変化する社会情勢を踏まえ、高齢者が生きがいをもって
学習できる事業の実施や学習プログラムの開発等に努める
とともに、高齢者の人材活用や社会参加、世代間交流を促
進した。
2 社会教育推進体制の充実
(1) 社会教育主事・司書等専門職員の設置
1) 市町村における社会教育活動の充実を図るため、社会
教育主事・司書等専門職員の設置及び公民館長・主事の
専任化の促進に努めた。
2) 市町村の専任社会教育主事の自主設置を促進するとと
もに、必要に応じて社会教育主事の派遣に努めた。
3) 公民館の機能の維持・向上を図るため、「公民館設置
及び運営に関する基準」(昭和34年、文部省告示)及び
「公民館整備運営の在り方について」 (平成3年、生涯
学習審議会、社会教育分科審議会施設部会答申)を踏ま
え、公民館長の専任化と公民館の主事の増員など、職員
体制の整備促進に努めた。
4) 住民への図書館活動のいっそうの向上を図るため、専
任図書館長・専任司書の設置促進に努めた。
(2) 社会教育関係職員の研修・
1) 市町村の社会教育主事や公民館職員、図書館職員、社
会教育指導員などの社会教育関係職員を対象とした研修
機会の充実を図り、その資質の向上に努めた。
2) 市町村社会教育主事を対象とした実務に関する研修会
の充実や大学及び国の社会教育研修所で実施する専門的
な研修講座への計画的な派遣に努めた。
(3) 民間・各種団体指導者の確保と活用
1) 県民の学習活動を促進するに当たっては、民間指導者の
果たす役割が大いに期待されることから、これら民間・
各種団体の指導者の確保やその活用に努めた。
2) 民間・各種団体やまちづくりなどに取り組む指導者、
各種学級・講座等の修了者の資質の向上が図られるよう
組織的な活動の在り方や組織の運営、活動プログラムの
企画等に関する研修の機会を充実し、広く社会教育活動
に関する指導者の確保に努めた。
3) 民間・各種団体指導者の広域的、効果的な活用を促進
するため、関係機関・団体との連携を密にしながら、指
導者の組織活動を支援するとともに、指導者名簿の作成
や必要な情報・資料の提供に努めた。
3 社会教育施設の整備充実
(1) 県立社会教育施設の整備充実
1) 県立図書館の整備充実
県民の教育と文化の振興を図るため、図書館資料や設
備・備品等の整備充実に努めるとともに、市町村立図書
館との相互連携・協力体制のネットワーク化に努めた。
2) 県立青少年教育施設の整備充実
自然の中での集団宿泊生活を通して青少年の健全育成
を図る場や機会を拡充するため、県立青少年教育施設の
一層の整備充実に努めるとともに、「いわき少年自然の家(仮称)」
の建設を推進した。
3) 県視聴覚ライブラリーの整備充実
利用者の要求に応えられるよう、視聴覚教材の整備充
充に努めるとともに、新しい情報機器を利用した教育方
法やシステムの開発に努めた。
(2) 市町村立社会教育施設の整備促進
1) 公民館の整備促進
地域住民のための社会教育施設として多様化した学習
需要に的確に対応し、充実した公民館活動が行われるよ
う、市町村に対し、長期的な展望に立った施設・設備の
整備を指導した。
2) 市町村立図書館の整備促進
地域住民の要望に対応すべく、図書館奉仕活動の充実
に努めるとともに、未設置町村における設置が図られる
よう市町村に対し指導・助言に当たった。
3) 市町村視聴覚ライブラリーの整備促進
地域の視聴覚教育の拠点として、機材及び教材等の整
備や職員の専任化を促進し、広域市町村圏単位の視聴覚
ライブラリーの設置に努めるよう市町村の指導に当たった。